十戒の解説
- 出エジプト記20:1~17 -
[インマヌエル 下巻.6-13]
(出エジプト記20:1~6)「1 それから神はこれらのことばを、ことごとく告げて仰せられた。2 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。3 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。4 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。5 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。」あなたのために刻んだ偶像を作ってはならない。また、天にあるもの、地にあるもの、地の下の水の中にあるもののいかなる形も作ってはならない」
< 序文 >
1. 十戒は二つの石の板に分けられている。(出エジプト記32:15、34:1、申命記10:1)
(1) 第一の石の板には最初の四つの戒めが記されている。
- 私たちが行うべき神への義務を示している。
(2) 第二の石の板には残りの六つの戒めが記されている。
- 神のために、私たちの隣人に対して行わなければならない愛の義務を示している。
2. イエスは戒めを二つのテーマに要約する。(マタイ福音書22:37~40、ルカ福音書10:27)
3. 神は戒めを与える前に、まずご自身について言われた。(出エジプト記20:2、申命記5:6)
- 神は、私たちに戒めを与える権利がある方であることを示しておられる。
< 十戒の解説 >
1. 第1の戒め:(出エジプト記20:3)「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」
+ 私たちが神のみに置くべき信頼を、他の神に置くことを禁じている。(イザヤ書30:1-5、31:1、エレミヤ書2:13、32)
+ 私たちは神だけを畏れ愛し、すべての希望と信頼を神に置くべきである。(第一テモテ1:17、申命記6:4~14、10:12~13、第一コリント10:23~31)
+ 私たちは神を知り、完全な心と喜びの意で仕えるべきである。(歴代誌上28:9)
2. 第2の戒め:(出エジプト記20:4)「あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。」(出エジプト記20:5上)「それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。」
+ すべての礼拝と崇拝は、唯一の神に捧げなければならない。 - 私たちは神を讃美すべきであるが、その方は霊であり、真理の中にいる。(申命記6:13~16、10:12~13、列王記上8:22-27、第一テモテ1:17、ヨハネの福音書1:9~14、4:24)
+ 預言者たちとすべての聖書は、偶像崇拝者たちに対して姦淫の罪を躊躇なく告発している。(歴代誌上5:25、エレミヤ書2:27、エゼキエル書6:4、イザヤ書40:19-20、ハバクク書2:18-19、申命記32:37)
+ 神は偶像を厳しく戒められ、一方、神を畏れる者をいかに愛しておられるかを示されている。(出エジプト記20:5~6)
3. 第3の戒め:(出エジプト記20:7)「あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。」
+ 神は私たちが深く愛し、畏れなければならない方であるため、その聖なる御名を汚してはならない。(エレミヤ書20:6、申命記18:10~12)
4. 第4の戒め:(出エジプト記20:8)「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。」 (出エジプト記20:11)
+ 安息日の遵守は、敬虔と神への礼拝の両方に関連している。(出エジプト記31:13~17)
+ しかし、この戒めは影に過ぎず、神への霊的な礼拝を示すために儀式期間中に課せられたものであることは疑いようがない。(ガラテヤ書4:8-11、コロサイ書2:16-17)
+ 私たちは神を畏れ愛すべきであるため、その方の中で私たちの安息を見いだすべきである。(ヘブル書4:7-10、58:13~14)
+ これは、私たちが現在守っている主日に適用される。(コロサイ書3:16~17)
5. 第5の戒め:(出エジプト記20:12)「あなたの父と母を敬え。」
+ 私たちは、私たちの父母を無視したり、何らかの形で怒らせたりしてはならない。(エペソ書6:1~3、マタイ福音書15:4~6)
6. 第6の戒め:(出エジプト記20:13)「殺してはならない。」
+ 私たちは、いかなる行為によっても他人に害を及ぼしてはならない。(マタイ福音書5:21~26)
7. 第7の戒め:(出エジプト記20:14)「姦淫してはならない。」
+ 神は私たちが愛し、畏れなければならない方であるため、私たちは一生を通じて、すべての行為を清く自制心を持って調節し、語り、行わなければならない。
8. 第8の戒め:(出エジプト記20:15)「盗んではならない。」
+ 私たちは神を畏れ愛すべき存在であるため、他人の所有物を詐欺によって盗んだり、暴力によって奪ったりしてはならない。
9. 第9の戒め:(出エジプト記20:16)「あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。」
+ 私たちは人々の言葉と行為を最も良いように解釈すべきである。(マタイ福音書7:1~5、ローマ書14:10)
+ 私たちは、いかなるうそも喜ばず、偽りの諂いをせず、無益な雑談をしないことも含まれる。(マタイ福音書12:36~37、エペソ書4:25~27、5:6~11)
10. 第10の戒め:(出エジプト記20:17)「あなたの隣人の家を欲しがってはならない。」
+ 他人の所有物を奪うために、貪欲な人々がよく使うような詐欺行為をしてはならない。(コロサイ書3:22~25、4:1)
*** 十戒は、現代においても単なる「宗教的律法」ではなく、環境危機(貪欲・乱用)、デジタル社会の問題(虚偽・プライバシー侵害)、経済的不平等と腐敗(盗み・貪欲)、人権・平和の問題(殺人禁止、生命尊重)など、多様な問題に適用可能な普遍的な倫理原則と言える。