パウロの祈り
- エペソ書1:15~23 -
[インマヌエル 下巻.7-29]
[エペソ書1:17~19] 「17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、すなわち栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。18 また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しによって与えられる望みがどのようなものか、聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか、19 また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。」
*** 使徒パウロは、神の救いの恵み(エペソ書1:3-4)を賛美する聖徒たちの信仰と愛について聞き、絶えず感謝を捧げながら彼らを覚えて、主なる神に祈った(エペソ書1:15~16)。
1. 神の偉大さを知ることができるように(エペソ書1:17-19)
(1) 「神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように」
○ 神を深く知ることは、より豊かな信仰生活へと導く。
① 知恵 - 一般的な神の御心を知るたまもの
② 啓示 - 神の秘密を洞察する特別なたまもの
(2) 「あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって」 - 心の目で見えるようになるのは何か?
① 神の召しによって与えられる望みがどのようなものか。
ⓐ 復活と永遠の命を得る。(第一コリント15:19~20)
ⓑ 神の国でキリストとともに治める。(黙示録3:21、22:5)
ⓒ 天における永遠の相続がある。(第一ペトロ1:4)
ⓓ キリストの体に変えられる。(ローマ書8:29、ピリピ書3:21、第一ヨハネ3:2)
② 聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか。
③ 信じる者に働く神の優れた力がどのように偉大なものか。
2. 主イエス・キリストの全能の力を知ることができるように(エペソ書1:20~21)
[エペソ書1:20~21] 「20 神は、その全能の力をキリストのうちに働かせて、キリストを死者の中からよみがえらせ、天上においてご自分の右の座に着かせて、21 すべての支配、権威、権力、主権の上に、また、今の世ばかりでなく、次に来る世においてもとなえられる、すべての名の上に高く置かれました。」
(1) 「天上においてご自分の右の座に着かせて」
○ 「右の座」とは?
① 栄誉の座(マタイ福音書25:34)
② 力と支配権の座(マタイ福音書26:64)
③ 喜びの座(詩篇16:11)
(2) 「すべての支配、権威、権力、主権の上に」
○ 「支配、権威、権力、主権」とは?
① 空中のすべての領域を支配する天使たちを指すと見なされる。(エペソ書2:2、3:10、6:12、ローマ書8:38、コロサイ書1:16、2:10、15、第一ペトロ3:22)
(3) 「今の世ばかりでなく、次に来る世においてもとなえられる、すべての名の上に高く置かれました。」
◎ 神の全能の力は、キリストにおいて働き、「復活」と「御座に着かせ」と「すべての名の上に高く置かれる」ことによって証明された。
「キリストの死が神の愛の最高の表現であるならば、神の力の最高の表現はキリストの復活である。」(ブルースの言葉)
3. 教会を知ることができるように(エペソ書1:22~23)
[エペソ書1:22~23] 「22 また、神は、いっさいのものをキリストの足の下に従わせ、いっさいのものの上に立つかしらであるキリストを、教会にお与えになりました。23 教会はキリストのからだであり、いっさいのものをいっさいのものによって満たす方の満ちておられるところです。」
(1) 「いっさいのものの上に立つかしらであるキリストを、教会にお与えになりました。」
○ 「神は、キリストを教会にお与えになりました。」 ここに教会の卓越性がある。
(2) 「教会はキリストのからだであり」
① 教会は単に信者たちの集まりではない。
② 教会は頭であるキリストとの有機的結合によって、霊的な命に満たされ、成長し、完成に至る。(エペソ書4:15~16, 5:30, コロサイ書1:18、2:10、19)
③ 教会は良き助け手として、頭であるキリストの御心と御業を世に現す。(エペソ5:23~24)
◈ 教会(Church) とは?
教会という言葉(ギリシャ語『εκκλησία』)は、ペテロの信仰告白の後、イエス様が教会が建てられることを語られた時に初めて用いられた(マタイ福音書16:18)。実際に共同体としての新しい教会は、イエス様の死と復活の後、イエス様の尊い血に基づいて(第一コリント3:11、エペソ書2:20~23)、神の救いの約束に対して信仰を持った人々の共同体が建てられたのである(使徒行伝2章)。
新約聖書では教会はさまざまな形で表現されている。神の血で買い取られた教会(使徒行伝20:28)、見えない教会(ローマ書6:3~5、第一コリント12:12~13)、キリストの体としての教会(ローマ書12:4、エペソ書4:3)、神の家族(エペソ書2:19)、神の教会(第一テモテ3:15)、イエス・キリストを礎とした建物(第一コリント3:10~11)、イエス・キリストの花嫁(第二コリント11:2)、イエス・キリストを牧者とする羊の群れ(ヨハネ福音書10:11~16)、燭台(黙示録1:20)などである。
