霊的な成長のための祈り
- エペソ書1:15~19 -
[インマヌエル 下巻.7-24]
[エペソ書1:15~19] 「15 こういうわけで、私は主イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対する愛とを聞いて、16 あなたがたのために絶えず感謝をささげ、あなたがたのことを覚えて祈っています。17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、すなわち栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。18 また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しによって与えられる望みがどのようなものか、聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか、19 また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。」
*** 使徒パウロはエペソ教会の聖徒たちの信仰と愛について聞き、彼らの信仰と霊的な成長のために神に絶えず感謝し祈った。
1. 「知恵と啓示の霊をあなたがたに与えられますように」
(1) 知恵と啓示は神のたまものである。
① 知恵 - 一般的な啓示を明らかにするたまものである。(ヤコブ書1:5)
「あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。」(ヤコブ書1:5)
② 啓示 - 神の深い御心を洞察する特別なたまものである。(マタイ福音書11:27、ガラテヤ書1:12)
「すべてのものが、わたしの父から、わたしに渡されています。それで、父のほかには、子を知る者がなく、子と、子が父を知らせようと心に定めた人のほかは、だれも父を知る者がありません。」(マタイ福音書11:27)
「私はそれを人間からは受けなかったし、また教えられもしませんでした。ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。」(ガラテヤ書1:12)
(2) 知恵と啓示の御霊は神を知らしめる。
- この手紙を受ける聖徒たちは神を知っている「キリスト・イエスにある忠実な者たち」であったが(エペソ書1:1)、この祈りにおける神を「知らしめる」ことは、より深く知ることを意味する。神を深く知ることにより、より豊かな信仰生活へと導かれる。
① 永遠の命を得る。(ヨハネ福音書17:3)
「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」(ヨハネ福音書17:3)
② 完全な人となる。(エペソ書4:13-14、本文)
2. 「あなたがたの心の目がはっきり見えるように」
- 心の目がはっきり見えること、すなわち知ることとは何か?
(1) 「神の召しによって与えられる」ものが何であるかを知る。(エペソ書1:18)
① 復活と永遠の命を得る。(第一コリント15:19-20)
「19 もし、私たちがこの世にあってキリストに単なる希望を置いているだけなら、私たちは、すべての人の中で一番哀れな者です。20 しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました。」(第一コリント15:19-20)
② 天国でキリストとともに治める。(黙示録3:21、22:5)
「勝利を得る者を、わたしとともにわたしの座に着かせよう。それは、わたしが勝利を得て、わたしの父とともに父の御座に着いたのと同じである。」(黙示録3:21)
③ 天国の永遠の相続を得る。(第一ペテロ1:4)
「朽ちることも汚れることも、消えて行くこともない資産を受け継ぐようにしてくださいました。これはあなたがたのために、天にたくわえられているのです。」 (第一ペテロ1:4)
④ キリストの姿に変えられる。(ローマ書8:29, 第一ヨハネ3:2)
「神は、あらかじめ知っておられる人々を、御子のかたちと同じ姿にあらかじめ定められたからです。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです。」(ローマ書8:29)
(2) 「聖徒たちにおける御国の栄光の豊かさ」が何であるかを知る。(エペソ書1:18)
① 御国 - 原文は「神の相続財産」となっている。(エペソ書1:11、14)
② この祈りは「聖徒たちが受ける豊かな恵みに目が開かれるように」という意味である。
(3) 「信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるか」を知る。(エペソ書1:19)
① パウロは同じ意味の言葉を重複させることで、神の力を強調している。
② 言葉では表現し得ない神の力が、信じる者たちに現れる。(マルコ福音書9:23)
「イエスは言われた。できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。」(マルコ福音書9:23)
*** 命あるものは成長するのが自然の原理であり法則である。聖徒たちの信仰も成長して、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達する人となる。<エペソ書4:13~14>
[エペソ書4:13~14] 「13 ついに、私たちがみな、信仰の一致と神の御子に関する知識の一致とに達し、完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達するためです。14 それは、私たちがもはや、子どもではなくて、人の悪巧みや、人を欺く悪賢い策略により、教えの風に吹き回されたり、波にもてあそばれたりすることがなく、」