富について
- 第一テモテ6:10 -
[インマヌエル 下巻.6-12]
[第一テモテ6:10] 「金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。ある人たちは、金を追い求めたために、信仰から迷い出て、非常な苦痛をもって自分を刺し通しました。」
[ヨハネ福音書12:3~8] 「3 マリヤは、非常に高価な、純粋なナルドの香油三百グラムを取って、イエスの足に塗り、彼女の髪の毛でイエスの足をぬぐった。家は香油のかおりでいっぱいになった。4 ところが、弟子のひとりで、イエスを裏切ろうとしているイスカリオテ・ユダが言った。5「なぜ、この香油を三百デナリに売って、貧しい人々に施さなかったのか。」6 しかしこう言ったのは、彼が貧しい人々のことを心にかけていたからではなく、彼は盗人であって、金入れを預かっていたが、その中に収められたものを、いつも盗んでいたからである。7 イエスは言われた。「そのままにしておきなさい。マリヤはわたしの葬りの日のために、それを取っておこうとしていたのです。8 あなたがたは、貧しい人々とはいつもいっしょにいるが、わたしとはいつもいっしょにいるわけではないからです。」」
*** 神は世界のすべてを善く創造された。神は人間に富を与え、善いことを行い、幸福を享受するように祝福された(伝道書5:19)。しかし、人間は罪によって心が鈍くなり、富を空しい偶像に変えて崇拝する(ローマ書1:21~25)。
1. 富は人間の幸福のために与えられる神の贈り物である。
(1) 富が持つ特性
① すべての富は神のものである。(歴代誌上29:12)
② すべての人々に与えられる神の贈り物である。(伝道書5:19)
③ 神を信じるすべての人々に与えられる神の恵みである。(ヘブル書11:2~32)
④ 神に捧げる献物となる。(マタイ福音書2:11、歴代誌上29:14)
⑤ 人々に平安と救いの恵みを享受させる。(使徒行伝2:45-47、ローマ書12:6~8)
(2) 富によって受ける祝福
① 正しい心で神に感謝するようになる。(歴代誌上29:10~14)
② すべての必要なものに満足を授ける。(ピリピ書4:19)
③ 多くの人を救うようになる。(使徒行伝2:45~47)
④ 神のみに希望を置くようになる。(詩篇31:24)
⑤ 神の国の相続を受けるようになる。(コロサイ書3:24)
⑥ 自分に与えられたたまものを果たすようになる。(ローマ書12:6~8)
⑦ 富者の富は彼の堅固な城となる。(箴言10:15)
⑧ 多くの友人を増やす。(箴言19:4)
(3) 富に対する聖徒の態度
① そのすべてを感謝して神に捧げなければならない。(歴代誌上29:14、ピリピ書2:17)
② 何をしても神の栄光のためにしなければならない。(第一コリント6:20、10:31)
③ そのすべてでキリストが尊ばれるようにしなければならない。(マタイ福音書26:7~13、ピリピ書1:20)
④ より多くのものを得るために、神の言葉を信じ、祈らなければならない。(ヘブル書11:1)
2. サタンは富を利用して人間を誘惑し、不幸に陥れる。
(1) 富を利用するサタンの誘惑
① 富を偶像に変えて、自分を崇拝させようとする。(ローマ書1:22~23)
② 神の富を自分のものだと偽る。(マタイ福音書4:8-9)
③ 人々が神よりも富を頼りにするように誘惑する。(詩篇52:7)
④ 富を利用して天国への道を阻む。(マルコ福音書書10:23、マタイ福音書26:14~16)
(2) 悪魔の誘惑によって受ける不幸な出来事
① 罪を犯すようになる。(第一テモテ6:10)
② 悪と不正に染まる。(使徒行伝8:20~23)
③ 聖霊を欺くようになる。(使徒行伝5:1~2)
④ 信仰から離れ、滅びる。(使徒行伝8:20、第一テモテ6:10)
⑤ 盗みを働くようになる。(ヨハネ福音書12:6)
⑥ 心の中に憂いを抱えるようになる。(マタイ福音書19:22)
* その例:
㉮ ロトの妻(創世記19:26)
㉯ アカン(ヨシュア記7:24~26)
㉰ サウル王(サムエル記上15:10~23)
㉱ ゲハジ(列王記下5:20~27)
㉲ ガロテのユダ(ヨハネ福音書12:6)
㉳ アナニアとサピラ(使徒行伝5:3~10)
(3) サタンの誘惑に注意すべきこと
① 富を愛してはならない。(ヘブル書13:5、第一テモテ6:10)
② 神よりも頼ってはならない。(詩篇52:7)
③ 神に捧げる献金に吝嗇であってはならない。(第二コリント9:7、マルコ福音書12:41~43)
④ 聖霊を欺いてはならない。(使徒行伝5:1~4)
⑤ 天に富を蓄えておくべきである。(マタイ福音書6:20、第二コリント9:7)
⑥ 隣人のために適切に用いるべきである。(マタイ福音書19:21)
⑦ 不正な手段で集めてはならない。(アモス書8:5)
*** 貪欲と金銭愛はすべての悪の根源である。ヤコブ書1:15に「貪欲が罪を産む」と記されている。現代においても社会の大小の罪悪は金銭のために起こる。公務員の腐敗も、女性の売春行為も、人の誘拐や殺人事件も、通常はお金への愛から生じる。
特に信者がお金を愛すれば、惑わされて信仰から離れ、多くの苦痛で自分を刺すことになる。貪欲はお金を神に代わって、または神よりも愛すること、つまり偶像崇拝であるため(コロサイ書3:5)、神を信じ仕えることと共存できない。イエスは明確にこう言われた。「人は二つの主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方を重んじて他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは神と富とを同時に仕えることはできない」(マタイ福音書6:24)。