伝道者のための勧め
- マタイ福音書10:40~42 -
[インマヌエル 下巻.8-24]
[マタイ福音書10:40-42] 「40 あなたがたを受け入れる者は、わたしを受け入れるのです。また、わたしを受け入れる者は、わたしを遣わした方を受け入れるのです。41 預言者を預言者だというので受け入れる者は、預言者の受ける報いを受けます。また、義人を義人だということで受け入れる者は、義人の受ける報いを受けます。42 わたしの弟子だというので、この小さい者たちのひとりに、水一杯でも飲ませるなら、まことに、あなたがたに告げます。その人は決して報いに漏れることはありません。」
*** マタイ福音書10章は、遣わされる弟子たち(伝道者)が心にとめるべきイエスの勧めである。まさに伝道者たちの憲章と言ってもよいだろう。
イエスは、「わたしを信じる者は、わたしではなく、わたしを遣わした方を信じるのです。また、わたしを見る者は、わたしを遣わした方を見るのです。」と言われた(ヨハネ福音書12:44-45)。したがって弟子たちは、単なる代理人として遣わされるのではなく、イエスの一つの肢体として、イエスの名をもって進んでいくのである。これは、キリストの中に神がおられ、神がキリストを通して御業を行われるのと同様に、弟子たちはイエスのメッセージをもって進み、自らの考えや意志ではなく、まさにキリストの福音を宣べ伝えるキリストの御業を行うのである。
1. 伝道者に与えられた特権(マタイ福音書10:1)<マルコ福音書16:15-20>
(1) 汚れた霊どもを制する権威
(2) あらゆる病気直す権威
(3) あらゆるわずらいを直す権威
2. 伝道者の資格 (マタイ福音書10:3~4) <第一コリント1:18-31>
(1) 選ばれた者
(2) 弱い者
(3) 貧しい者
(4) 忠実な者
3. 伝道の方法 (マタイ福音書10:5-15)
(1) 失われた者を探せ。(5-6節)
(2) 天国を宣言せよ。(7節)
(3) 抑圧された者を解放せよ。(8節)
(4) 生活の心配をしないこと。(9節)
(5) 祝福を祈れ。(12~15節)
4. 迫害に対する警告 (マタイ福音書10:16-33)
(1) 伝道者の振る舞いについて (16節)
(2) 迫害への対処について (17-23節)
(3) 語るべきことを心配するな。(19-20節)
(4) 迫害を恐れるな。
① 隠されたものが現れるから(26-27節)
② 体と魂を滅ぼす神がおられるから(28節)
③ 雀さえも神の手の中にあるから(29節)
④ 髪の毛一本までも数えられるから(30-31節)
⑤ 神があなたを認めてくださるからである。(32-33節)
5. 伝道者の祝福(マタイ福音書10:34-42)
(1) 福音伝道後、初めて起こったことである。(34-36節)
(2) 福音のために命を失う者は得るであろう。(37-39節)
(3) 主と同一視される。(40節)
(4) 確かな報いがある。(41-42節)
◈ 一杯の水を与える者
一杯の水の提供は、善行の最も初歩的と言えるほど大したことではない。しかし、乾燥して蒸し暑いパレスチナの気候条件下では、一杯の水はまさに生命力に満ちた歓待を意味し得る。このように、たとえ取るに足らないように見える者たちへの心からのもてなしは、与える側にとっては大したことではないかもしれないが、受ける側とその者をそこに遣わした者にとっては、まさに貴重な贈り物として受け入れられるのである。(マタイ福音書25:35-40)
