伝道のメッセージと応答
- ローマ3:23
1.伝道のメッセージ
われわれは何を宣べ伝えるべきか.説教やあかしは人々の知性,感情と意志に訴えて いかなければならない.特に,彼らの意志が神に服従し,キリストを救い主及び主とし てあがめ,教会の交わりにおいて,キリストとともに歩むようにならなければならない.
⑴ われわれが罪人であること
罪とは,われわれが神の律法を破っていることである.一人として,神の律法違反 者に対する刑罰から逃れることのできる者はいない(ローマ3:23).偉大なメソジストの 創始者ジョン․ウェスリは,かつて「わたしは愛を説教する前に,罪と審判について 説教しなければならない」と言った.罪に対する恐れを抜きにして伝道説教はできな いのである.
⑵ 神の愛,罪の赦し
われわれは神が人類を愛しておられること,罪を赦そうとしていることを説かなけ ればならない.すなわち,神の愛の優れた行為である十字架を語らなければならな い.すべての伝道説教において,罪のために死んだキリストの十字架が中心に置かれ なければならないのである.
⑶ キリストの復活
これは,初代教会のメッセージであり,歴代のキリストの証人のメッセージであ る.キリストは事実,十字架にかけられ,死んで葬られ,3日目によみがえり,今も 生きておられる方である.われわれはこのキリストの復活を,生きておられる勝利の キリストを,王の王,主の主としてのキリストを宣べ伝えなければならない.彼は, いつの日か,再び來られる.キリストは世界の希望である.これらが,伝道のメッ セージの内容である.
2.応答
われわれはまた,キリストに対する霊魂の応答について明白にする必要がある.われ われは,彼の愛と恵みとあわれみのゆえに,キリストに來ることができるのである.そ れは,どんな方法によるのか.聖書はその方法も教えている.
⑴ 悔い改め
われわれはそれを好まなくても,罪を悔い改めなければならない.イエスは,「悔 い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15)と言い,ペテロもペンテコステの時,「悔い 改めなさい」(使2:38)と勧めた.パウロも,アテネの丘で,「今は,どこででもすべ ての人に悔い改めを命じておられます」(使17:30)と教えている.聖書全体を通じ て,人は誰でも天国に入るためには,罪と偶像から離れてキリストに転向しなけれ ばならないと告げているのである.われわれはまず,十字架の下にひれ伏して,「私 は罪人です」と,神に対して罪を犯したことを認め,告白しなければならない.人間 としてそうすることは非常な屈辱である.しかし,神は第1に,このことを要求して おられるのである.さらに,悔い改めである.罪を捨てることである.われわれは, 神と罪を同時に持つことはできないのである.
⑵ キリストを受け入れる.
われわれは次に,キリストを受け入れなければならない.キリストを信じること は,キリストを受け入れることでもある.「しかし,この方を受け入れた人々,すな わち,その名を信じた人々には,神の子どもとされる特権をお与えになった」(ヨハネ 1:12)とある通りである.救い主として,これからの人生の主として,他の何もので もなくキリストを,自分の心の王座に迎えることである.そうすれば,キリストもわ れわれを受け入れて下さるのである.
⑶ キリストに従う.
キリストは,「わたしは,世の光です.わたしに従う者は,決してやみの中を歩む ことがなく,いのちの光を持つのです」(ヨハネ8:12)と言われた.キリストに従うこと は,聖書を読み,祈り,教会に出席し,キリストのためにあかしをする生活を意味し ている.