福音の働き人の人格

- 出18:21-22 -

「あなたは、民全員の中から、神を畏れる有能な人で、不正な利得を憎み、信頼に値する人物を選び、千人隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長として民の上に立てなさい。平素は彼らに民を裁かせ、大きな事件があったときだけ、あなたのもとに持って來させる。小さな事件は彼ら自身で裁かせ、あなたの負担を軽くし、あなたと共に彼らに分担させなさい。」(出18:21-22)

モーセはイスラエルの民を導き出すなかで、多くの訴訟が起こり、一人では裁判を執り行 うことができなかった。そのとき、モーセの姑エトロは、指導者を立てて効率的に行なうよ うに、モーセに忠告した。彼はどんな人物を指導者に任命したのかを調べてみよう。

1. 神を畏れる者

- 人格は創造者である神を信じ従うことで完成する。神を離れては人格の完成は成し得な い。(参照; 詩14:1>

⑴ 神を畏れることが知恵の初めである。(箴1:7)

「主を畏れることは知恵の初め。無知な者は知恵をも諭しをも侮る。」(箴1:7)

⑵ 神を創造主として信じることが真の信仰の初めである。(創1:1)

- 神を創造主として信じることは、神に対する信仰の告白であると同時に、自分の実 存を悟ることである。

「初めに、神は天地を創造された。」(創1:1)

⑶ 神を礼拝することが祝福を受ける信仰生活である。(ﾖﾊﾈ4:23-24)

2. 信頼に値する者

- 真実とは、神と人々に対して、思いと行為が純真なことである。神は真実な方だからで ある。 <參照; 申32:4.ｲｻﾞﾔ65:16, 黙3:14>

⑴ 福音の働き人は、神を信じる信仰について正直である。 (Ⅰﾃﾓﾃ1:5, ｴﾍﾟｿ6:24)

「...清い心と正しい良心と純真な信仰とから生じる愛を目指すものです。」(Ⅰﾃﾓﾃ1:5)

⑵ 神に真実であれば、信徒間に真実の交わりが成し遂げられる。(ﾛｰﾏ12:9,Ⅰﾍﾟﾄﾛ2:22)

「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、」(ﾛｰﾏ12:9)

⑶ 真実とは最も偉大な真理であり、力強い人格の持ち主になる。(使13:22, 王上15:5)

- 神は昔も今も真実(正直)な者を探しておられ、用いておられる。

「わたしは、エッサイの子でわたしの心に適う者、ダビデを見いだした。彼はわたし の思うところをすべて行う。」(使13:22)

「…ヘト人ウリヤの一件のほかは、生涯を通じて主のお命じになったすべてのことに 背くことがなかったからである。」(王上15:5)

<宗教改革者ルター> ルターは、1517年 10月 31日に、95カ条の抗議文をビッテンベル ク教会の門に貼出し、修道士として、宗教改革の旗を掲げた。宗教裁判を受けること は死刑宣告と同じであった当時、ルターは裁判で、「ウェムズ会議場の屋根のすべて の瓦が私に降ってきても、私は真実を追求する。」と言った。

3. 不正な利得を憎む者

- 人を試すには、仕事をお金を預けてみるとわかる。財物は人を試みる試金石になるこ ともある。

⑴ 財物は神が私たちに贈り物としてくださった者である。 (伝3:13, 5:18-20)

「いかに幸いなことか、知恵に到達した人、英知を獲得した人は。…」(伝3:13)

⑵ 欲望によって、財物によって苦しみに会う。(ｺﾛｻ3:5, Ⅰﾃﾓﾃ6:9-10)

「…金銭の欲は、すべての悪の根です。金銭を追い求めるうちに信仰から迷い出て、さまざまのひどい苦しみで突き刺された者もいます。」(Ⅰﾃﾓﾃ6:9-10)

⑶ 財物の誘惑に勝つためにはどうすればいいのか?

- 財物をうまく管理し、その関係が正しい者は、聖書でも神に認められている。

① 自分に満足する。 

② いつも感謝の心をもつ。

③ 人生の目標は神の栄光である。 

④ 財物の管理者であることを認識する。

⑤ 人生にある裁きを思い起こす。 

⑥ 聖書的な価値観をもつ。

モーセは神を畏れる有能な人で、不正な利得を憎み、信頼に値する人物を立てて訴訟の仕事を任せた。裁判は効率的に進んだ。そして民は平安であった。