イエス・キリストの神性と人性
- ピリピ書2:6~7-
[インマヌエル 上巻.2-07]
[ピリピ書2:6~7] 「6 キリストは、神の御姿であられる方なのに、神のあり方を捨てることができないとは考えないで、7 ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。」
++ 聖書は、聖子の神であるイエス・キリストが本質的に父なる神と同じ神であることを証言している(マルコ福音書5:2、ヨハネ福音書1:18、使徒行伝13:33、コロサイ書1:16、ヘブライ書1:13)したがって、人間として生まれたイエス・キリストは、神としての人格と属性と権威を持っていることを信じなければならない。(ヨハネ福音書14:14、ルカ福音書24:51、使徒行伝7:59、ヘブライ書1:6)
1. イエス・キリストの神性
(1) イエス・キリストの行いに現れる神性
① 自分の民を罪から救われた。(マタイ福音書1:21)
「マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」 (マタイ福音書1:21)
② 病気を癒し、死者を生かした。(マタイ福音書11:1~6)
「盲人が見、足なえが歩き、らい病人がきよめられ、つんぼの人が聞こえ、死人が生き返り、貧しい者には福音が宣べ伝えられているのです。」 (マタイ福音書11:5)
③ 奇跡を行い、自然を支配された。(マタイ福音書14:25-33, 8:26-27)
「すると、夜中の三時ごろ、イエスは湖の上を歩いて、彼らのところに行かれた。」 (マタイ福音書14:25)
④ 悪霊を追い出し、病人を癒された。(マタイ福音書8:16~17)
「夕方になると、人々は悪霊につかれた者を大ぜい、みもとに連れて来た。そこで、イエスはみことばをもって霊どもを追い出し、また病気の人々をみなお直しになった。」 (マタイ福音書8:16)
⑤ 助け主である聖霊を私たちに送ってくださった。 (ヨハネ福音書14:16)
「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。」 (ヨハネ福音書14:16)。
(2) その御名に現れる神性
① 造られたものの根源である方 (黙示録3:14)
② 神の御姿であられる方 (ピリピ書2:6)。
③ 独り子 (ヨハネ福音書1:14)
④ インマヌエル (イザヤ書7:14)
⑤ 栄光の主 (第一コリント2:8)
⑥ すべての人の主 (使徒行伝10:36)
⑦ 命の主 (使徒行伝3:15)
⑧ 御霊の岩 (第一コリント10:4)
2. イエス・キリストの人性
(1) イエス・キリストの人性を示す証拠
① 処女から生まれた。(ルカ福音書1:31)
「ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。」 (ルカ福音書1:31)。
② 人間の姿で現われた。(ピリピ書2:7~8)
「7 ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。8 キリストは人としての性質をもって現われ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われたのです。」 (ピリピ書2:7~8)
③ 人間的な本能と情緒を持たれた。(ヘブライ書5:7)
「キリストは、人としてこの世におられたとき、自分を死から救うことのできる方に向かって、大きな叫び声と涙とをもって祈りと願いをささげ、そしてその敬虔のゆえに聞き入れられました。」 (ヘブライ書5:7)
④ この世で大工の仕事をされた。(マルコ福音書6:3)
「この人は大工ではありませんか。マリヤの子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではありませんか。その妹たちも、私たちとここに住んでいるではありませんか。」こうして彼らはイエスにつまずいた。」 (マルコ福音書6:3)
⑤ 試練を受け、肉体の苦難を受けられた。(ヘブライ書2:18)
「主は、ご自身が試みを受けて苦しまれたので、試みられている者たちを助けることがおできになるのです。」 (ヘブライ書2:18)
(2) その御名に現れた人格
① ナザレのイエス (マタイ福音書2:23、マルコ福音書1:24)
② 人子 (ルカ福音書9:10)
③ 女の子孫 (創世記3:15)
④ ダビデの子孫 (マタイ福音書22:42)
⑤ 預言者 (使徒行伝7:37)
++ ウェストミンスター大教理問答書[38-40問]
* 38問. 仲保者は、なぜ神でなくてはならなかったのか。
答: 仲保者は、人間の本性を神の無限の怒りと死の力の下に沈み切らぬように支え防ぐため、ご自身の苦難と服従と執成しを価値あり効果あるものとするため、また神の正義を満足させ、神の好意を獲得し、特選の民を買いとり、彼らにみたまを与え、彼らのすべての敵を征服し、彼らを永遠の救いに導くために、神でなくてはならなかったのである。
* 39問. 仲保者は、なぜ人でなくてはならなかったのか。
答: 仲保者は、わたしたちの本性を向上させ、わたしたちのために、人間性において律法への服従をなしとげ、苦しみを受け、執成しをなし、わたしたちの弱さを思いやるために、また、わたしたちが神の子たる身分を授けられ、慰められ、はばかることなく恵みのみ座に近づくために、人でなくてはならなかったのである。
* 40問. 仲保者は、なぜ、一人格において、神でも人でもなければならなかったのか。
答: 神と人を和解させる仲保者は、それぞれの性質の固有のわざが全人格のわざとして、わたしたちのために受け入れられ、また、わたしたちからより頼まれるために、自ら神でも人でもあり、しかも一人格においてそうでなければならなかったのである。