イエス・キリストの証人
- 使徒行伝1:8 -
[インマヌエル 下巻.8-23]
[使徒行伝1:8] 「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」
*** 新約聖書において唯一真の神について最大の証しをなさった方はイエスであり(ヨハネ福音書3:32-34、ヘブル書1:2)、神ご自身もイエスが愛する御子であることを証しされた(マタイ福音書3:17、使徒行伝2:22)。イエス・キリストを信じることでイエスの弟子となった私たちも、イエス・キリストと福音を証しする者たちである(ヨハネ福音書15:27、使徒行伝5:32)。
1.証人の任命
(1) 「わたしのところに来なさい」(マタイ福音書11:28)というイエスの招きを聞き従う「疲れた人、重荷を負っている人」に、イエスは彼らを助けることを約束される。
(2) 「あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。それは、あなたがたが行って実を結び、そのあなたがたの実が残るためであり、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何でも、父があなたがたにお与えになるためです。」 (ヨハネ福音書15:16)という御言葉を聞き、従うことを決意する。
2.証人の動力
(1) すべてのクリスチャンは聖霊が臨むことによって力ある証人となる。
「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」 (使徒行伝1:8)
3.証人の使命
(1) 証人の使命は、使徒行伝26:18によく記されている。
① 「彼らの目を開いて」(唯一の神とイエス・キリストを知り、信仰によって)
② 「暗やみから光に」(光であるイエス・キリストを受け入れることによって)
③ 「サタンの支配から神に立ち返らせ」(神の力と性質にあずかり)
④ 「罪の赦しを得させ」(神に義と認められ)
⑤ 「聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるため」(神の国における聖なる民となるため)
(2) パウロに与えられた証人の使命は、今も変わらず私たちにも与えられている。パウロはこの使命のために苦難に耐え、命さえも捨てた。
4.証人の訓練
◎ 良い証人となるためには、霊的、聖書的、そして実践的な訓練が必要である。
(1) 霊的訓練とは、パウロがローマ書1:14-16で語った「私は、返さなければならない負債を負っています」、「私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです」、「私は福音を恥とは思いません」という言葉からよく分かる。
(2) 聖書的訓練とは、聖書が明らかにしている救いの四つの原則(神の愛、人間の罪、キリストの救い、そして悔い改めと信仰について)を対象者の霊的必要に応じて強調点を調整しながら、救いへと導くことである。
(3) 実践的訓練とは、表現力、思考力、そして適応力という三つの側面における訓練であり、多くの体験を積み重ねていくことである。
5.証人の技術
(1) 証人が個人伝道を行うにあたり、唯一の絶対的方法というものはない。神の御業は御自身の主権によって進められるからである。
(2) それゆえ証人は、伝道の方法や技術よりも、聖霊の具体的な導きに従うよう、常に聖霊に満たされなければならない。
(3) そのためには、常に祈りが先行されなければならない。
6.証人の勝利
(1) パウロは「神に感謝します。神はいつでも、私たちを導いてキリストによる勝利の行列に加え、至る所で私たちを通して、キリストを知る知識のかおりを放ってくださいます。...」 (第二コリント2:14-17)という勝利を味わう確信を持っていた。
*** 主は弟子たちに、彼に代わってなすべき最も重要なこと、すなわち使命について語られた。それは彼が使徒たちから離れる前に最後に託された言葉であった(マタイ福音書28:16-20、マルコ福音書16:15-16)。それは彼らがイエス・キリストのために証人となることであった。彼らはイエス・キリストの御御業と死と復活を自ら証しできる者たちであった。私たちはイエスさまを見たことがなく、聖書を通して知り信じたが、使徒たちは彼と共に3年間生活した者たちであった(使徒行伝2:32、13:31)。
使徒たちが証しすべき対象は、「エルサレムとユダヤ全土、サマリヤ、地の果て」に住む者たち、すなわち全世界の人々である。イエス・キリストの福音は全世界のすべての人に宣べ伝えられなければならず、この福音を通して神の選ばれた民は一人も残らず救いを得るであろう。
