弟子の目
- 使徒行伝26:17~18 -
[インマヌエル 下巻.8-04]
[使徒行伝26:17~18] 「17 わたしは、この民と異邦人との中からあなたを救い出し、彼らのところに遣わす。18 それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。」
*** キリスト者の使命は使徒行伝26:18によく表れている。パウロに与えられたイエス・キリストの証人の使命は、今も変わらず私たちにも与えられている。
* パウロはこの使命のために苦難に耐え、自らの命さえも捧げた。
① 「目を開かせ」 - 唯一の神とイエス・キリストを知り、信仰によって
② 「暗やみから光へ」 - 光であるイエス・キリストを受け入れることによって
③ 「サタンの支配から神のもとへ立ち返らせ」 - 神の力と性質にあずかり
④ 「罪の赦しとわたしを信じる信仰によって」 - 神に義と認められ
⑤ 「聖なる者たちのうちで、あなたの受け継ぐべき分を得る者とするため」 - 神の国の聖なる民となる。
[使徒パウロ]
パウロはギリシャ文化の教育を受け、ローマの市民権を持っていた。彼は地中海沿岸で迫害を受けながら伝道した(第二コリント11:23~28)。福音の真理に対する確信を持ち、30年間宣教師として輝かしい活動をした(第一コリント9:10)。一方、健康は良くなく、容姿も目立たなかった(第二コリント10:10, 12:7)。
1. 時代と世界を見る目(使徒行伝26:17~18)
(1) 霊的な事実を中心に
① 原罪 - 災い、苦しみ、死(創世記3:1~6、ローマ書3:23、エペソ書2:1~3)
「すべての人は、罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず、」(ローマ書3:23)
② 偶像崇拝と宗教(出エジプト記20:4~5、エペソ書2:2、第一コリント10:20)
「いや、彼らのささげる物は、神にではなくて悪霊にささげられている、と言っているのです。私は、あなたがたに悪霊と交わる者になってもらいたくありません。」(第一コリント10:20)
③ 精神的苦痛(マルコ福音書5:1~20、マタイ福音書11:28、使徒行伝16:16~18)
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」(マタイ福音書11:28)
④ 肉体的苦痛(使徒行伝8:4~8)
「7 汚れた霊につかれた多くの人たちからは、その霊が大声で叫んで出て行くし、大ぜいの中風の者や足のきかない者は直ったからである。8 それでその町に大きな喜びが起こった。」(使徒行伝8:7~8)
⑤ 来世の苦痛(ルカ福音書16:19~30)
「22 さて、この貧乏人は死んで、御使いたちによってアブラハムのふところに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。23 その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、アブラハムが、はるかかなたに見えた。しかも、そのふところにラザロが見えた。」(ルカ福音書16:22~23)
(2) 歴史的事実を中心に
① 異邦民族の歴史(サタンのしもべ;エペソ書2:2~3)
② イスラエル民族の歴史(契約共同体;創世記12:1~3)
(3) 神が用いた人物を中心に
① 神を信じる信仰によって義とされた者たち(エペソ書1:4、ヘブル書11章)
② 神に不従順であったために裁きを受けた者たち
2. 神の国を見る目(使徒行伝1:2~3)
[使徒行伝1:2~3] 「2 お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。3 イエスは苦しみを受けた後、四十日の間、彼らに現われて、神の国のことを語り、数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示された。」
(1) 永遠の命(ヨハネ福音書17:3) - 聖書研究 (神の国と神の義)
① ミッションホーム(みことばの学び;弟子、教師) - 伝道の門(使徒行伝1:14, 2:42~47)
② 神学校(弟子訓練、教師養成) - 伝道者(宣教師)養成(使徒行伝13:1~4)
③ チーム伝道(伝道活動) - 救いの門
④ 地域教会(弟子としての務め) - 地域伝道
⑤ 宣教師(教役者) - 地の果てまで(世界福音化)(ローマ書16章)
(2) キリストの弟子育成 - 弟子訓練(使徒行伝1:8、マタイ福音書28:20)
① 生活現場(キリストの証人) - キリスト者
② ミッションホーム(家庭教会) - ルデヤの家、ヤソンの家、ヌンパの家
③ 神学校(弟子訓練、教師養成) - ツラノの講堂
④ 地域教会(地域礼拝) - 聖徒の相続分
*** 救いとは、人々を暗闇から光へ、サタンの支配から神のもとへ帰らせることである。救いとは、十字架にかかって贖いの業を成し遂げられたイエス・キリストを信じることで罪の赦しを受け、聖なる者たちのうちで御国を得ることであり、この救いの福音をすべての人に伝えることが使徒パウロの務めであり、弟子たちの務めであり、新約教会が主から受けた務めであった。
