自然界に対するイエスの力と権威
- ルカ8:22-25 -
ルカによる福音書8:22-56には、自然界(22-25)、悪霊(26-39)、病気(40-48)、そして死の世界(49-56)に対するメシヤとしてのイエスの力(46)と権威が描かれる.
このようなイエスの力と権威は、「いったいこの方はどういう方なのだろう」(25)という隠されたメシヤ(56)の正体のなぞに対する解答である
1.イエスの命令に、風も波も従った。 (ルカ8:22-25)
「ある日のこと、イエスが弟子たちと一緒に舟に乗り、「湖の向こう岸に渡ろう」と言われたので、船出した。渡って行くうちに、イエスは眠ってしまわれた。突風が湖に吹き降ろして來て、彼らは水をかぶり、危なくなった。弟子たちは近寄ってイエスを起こし、「先生、先生、おぼれそうです」と言った。イエスが起き上がって、風と荒波とをお叱りになると、静まって凪になった。イエスは、「あなたがたの信仰はどこにあるのか」と言われた。弟子たちは恐れ驚いて、「いったい、この方はどなたなのだろう。命じれば風も波も従うではないか」と互いに言った。(ルカ8:22-25)
⑴ 突風が湖に吹き降ろして來て、彼らは水をかぶり、危なくなった。
⑵ イエスが風と荒波とをお叱りになると、静まって凪になった。
主は大声で風を叱り付け,荒れ狂う湖に「黙れ,静まれ」(マルコ4:39)と命じられた.単純で明快な命令の言葉と,一瞬にしてその通りになる。 <参照; マルコ4:3541>
⑶ イエスは自然をも従わせる主である.(ルカ8:25,詩89:10)
「弟子たちは恐れ驚いて、「いったい、この方はどなたなのだろう。命じれば風も波も従うではないか」と互いに言った。」(ルカ8:25)
「あなたは誇り高い海を支配し、波が高く起これば、それを静められます。」(詩89:10)
*<ガリラヤ湖のこと>:1986年,ガリラヤ湖底から2千年前の舟がほぼ完全な形で発見された.現在ゲネサレ記念館の水槽に保存され,当時の舟の姿をほうふつとさせる.
2.イエスは、湖の底の有様を知っていた。(ヨハネ21:4-7)
「既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われる と、彼らは、「ありません」と答えた。イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン․ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をま とって湖に飛び込んだ。(ヨハネ21:47)
⑴ 岸辺に复活のイエスが立たれるが,弟子たちにはイエスであることが分からなかった。
⑵ イエスの命令に従って網を下ろしたところ,おびただしい魚がとれた。
⑶ ペテロは愛弟子の言葉を聞いて,上着をまとって湖に飛び込んだ。
3.イエスの指示に従うと、水がぶどう酒に変わった。(ヨハネ2:7-10)
「イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、がめの縁まで水を満たした。イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。世話役はぶどう酒に変 わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから來たのか、水をくんだ召し使いたちは 知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、言った。「だれでも初めに 良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良 いぶどう酒を今まで取って置かれました。」(ヨハネ2:710)
⑴ 水がめに水をいっぱい入れた世話役は、ぶどう酒に変わった水の味見をした。
⑵ イエスはこのことを最初のしるしとして行ない、ご自分の栄光を現わされた。
⑶ それで,弟子たちはイエスを信じた。