福音とは?
- ローマ1:16-17 -
「わたしは福音を恥としない。福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。「正しい者は信によって生きる」と書いてあるとおりです。」(ローマ1:16-17)
福音は力強く伝えられるだけでなく(Ⅰテサロ1:5),神の力そのものである(ローマ1:16)。
それは神の義をあかしし,信じる者すべてを救いに導く(ローマ1:1617)。
1.福音とは?
⑴ 福音は,神がイエス․キリストによってイスラエルへの御自身の約束を成就される良い知らせであり,すべての人に救いの道が開かれたことを伝えるものである.
⑵ 福音は,神が人類への導き方を変更されたかのように,旧約聖書と対立するものではない.
むしろ神は旧約聖書の約束を成就し(マタイ11:25),イエス自身もイザヤの預言の中に自分のなすべき働きの内容を読み取られた(ルカ4:1621)。
⑶ 福音は,時にイエス․キリストの生涯の記錄を意味したり(マルコ1:1),キリストのすべての教えを含んだりした(使20:24)。
しかし今は福音という語は,特有の意味を表す語として使用され,基本的にはキリスト教が伝える使信を意味している.
⑷ 福音は,「良い知らせ」という意味であるが,それは神からの賜物である.
それは罪の赦しと,イエス․キリストを通して買い戻されて神の子としての身分に あずかる救いである.この意味で新約聖書に75回以上この語が使われている.
⑸ 福音は,キリストそのものである.キリストが主であり,キリストが目的であり,キリストがそのいのちである.
2.イエスや使徒たちは福音についてさまざまな表現をしている.
⑴「神の福音」(ローマ1:1,Ⅰテサロ2:2,9)
⑵「キリストの福音」(マルコ1:1,ローマ15:19,Ⅰコリン9:12,ガラテ1:7)
⑶「神の恵みの福音」(使20:24)
⑷「平和の福音」(エペソ6:15)
⑸「救いの福音」(エペソ1:13)
⑹「キリストの栄光にかかわる福音」(Ⅱコリン4:4)
- この福音を主御自身が語り(マタイ4:23,11:5,マルコ1:14,ルカ4:18),使徒たちも語り(使16:10,ローマ1:15,Ⅰコリン9:16),そして伝道者たちも語った(使8:5)。
3.パウロは福音を神からゆだねられたものとして受け止めている.(Ⅰテモテ1:11)
彼は福音の宣教をするように神から力強く迫られ(Ⅰコリン9:16),大胆にこの務めが果せるように神に祈り求めた(エペソ6:19)。
⑴ 福音は「真理のことば」であるが(エペソ1:13),信じない者はこの世の神に目をくらまされてそれが分らず(Ⅱコリン4:34),知ることができないのも,神の知恵にかなっているのである(Ⅰコリン1:2123)。
⑵ 福音には救いに関するすべての使信と教理が含まれている.
それは罪の赦し,信仰,義認,新生,聖化に導くものであり,啓示と体験の事実に関するものである.
この福音は全世界に伝えられなければならないが,それには人間的な変更や(Ⅱコリン4:2),人間の知恵を用いずに(Ⅰコリン1:17),主の力を受けて(使1:8)伝えられなけれ ばならない(使8:25,11:2021,Ⅰコリン9:16)。