主の祈り
(イエス様が教えてくださった祈り)
- マタイ福音書6:9~13 -
[インマヌエル 下巻.7-07]
◈ 主の祈り
[マタイ福音書6:9~13] 「9 だから、こう祈りなさい。『天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。10 御国が来ますように。みこころが天で行なわれるように地でも行なわれますように。11 私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。12 私たちの負いめをお赦しください。私たちも、私たちに負いめのある人たちを赦しました。13 私たちを試みに会わせないで、悪からお救いください。』〔国と力と栄えは、とこしえにあなたのものだからです。アーメン。〕」
*** 私たちはイエス様が「あなたがたはこう祈りなさい」と教えてくださった祈り(主の祈り)を模範として、イエス・キリストの御名によって祈らなければならない
1. 主の祈りの解説
(1) 祈りの対象:「天にいます私たちの父」
① 天にいます:神は全宇宙に、あらゆる場所に存在される。神は地に住む人間とは異なる「聖なる全能の創造主」であられる。
② 私たち:神は私だけの父ではなく、すべての信じる者の父となられる(ヨハネ福音書1:12)。
③ 父:愛、保護、供給、養育、... - アバ(パパ)なる父
(2) 祈りの内容:
① 神に対する私たちの祈り
1. 御名が聖とされますように、
2. 御国が来ますように、
3. 御心が天に行われるとおり地にも行われますように。
1. 神の御名が聖なるものとなることを祈らなければならない。
詩篇の記者のように「神よ、あなたの御名のように、賛美も地の果てまで届きました」と、その御名にふさわしい栄光と賛美を神に捧げなければならないのである(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.41)。
2. 神の国がこの地上に来ることを祈らなければならない。
人々が自己を否定し、世俗の生活を軽蔑し、天国の生活を慕うことによって、神が御霊の力によって肉のあらゆる欲望を正し、私たちのすべての思いを神の支配に従順に導かれるよう祈るべきである(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.42)。
3. 神の御心が成し遂げられることを祈らなければならない。
すべての人々が神の言葉に啓示されている御心に服従する時、神は世において王として治められるであろう(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.43)。
② 私たち自身のための祈り
4. 私たちに日ごとの糧をお与えください、
5. 私たちの罪をお赦しください、
6. 私たちを試みに遭わせないでください、
4. 日々の糧を求めるべきである。
この祈りを通して、私たちの体に必要な一般的なすべてのものを求めることで、私たちは神の保護に自分自身を委ね、神の摂理を信頼し、神が私たちを養い、育て、守ってくださるようにするのだ(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.44)。
5. 神に罪の赦しを求めなければならない。
私たちのために自らを贖いの供え物として与えられたキリストにある贖いを、神が憐れみをもって受け入れてくださった結果、私たちの罪が赦されたことを知り、私たちが神のその大きな憐れみに基づいて罪の赦しを懇願するのである。他人の過ちを赦すとは、私たちの心の中から怒り、憎しみなどをすべて取り除くことを意味する(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.44)。
6. 試みに入らないよう祈らなければならない。
私たちにある絶え間ない悪魔との戦いにおいて勝利を得られるよう、主の力によって堅く立たせてくださいと祈るのである。(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.44)
③ 送栄:「国と力と栄えは、とこしえにあなたのものだからです。アーメン。」
◎ 私たちのすべての祈りは、教会の公的な徳と信徒間の交わりの促進を図るべきであり、私たちの確信と祈りのための永遠の基盤は、神の御国と力と栄光にあることを知らなければならない。
◈ 祈りの内容を制限する要素
応答されると信じる信仰の祈りは、祈りに応答される神を信じる信仰と不可分である。すなわち神の恵みと約束に対する信仰が含まれている。
この信仰の祈りは神の御心に従う祈りである。したがって神の啓示された御心(the revealed will of God)によって私たちの祈りの内容は制限されるのである(カルヴァン『キリスト教綱要』Ⅲ.ⅹⅹ.14, 14)。
祈りの応答の約束は、キリストに関する啓示と一致する祈りに対してのみ与えられるものである。結局、私たちの祈りの内容は、キリストに関する啓示である神の御言葉によっても制限されるのである。
◈ ウェストミンスター大要理問答(185問答)
「私たちは神の栄光と教会の平和と、私たち自身と他の人々の善のために祈るべきであるが、いかなる不法な事柄のためにも祈ってはならない。」