キリスト教史5-51「アメリカ・キリスト教史(1)」

 

http://www.d-theo.jp/opencource/mori_01.html

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森 孝一
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概要
このクラスはアメリカ合衆国におけるキリスト教の歴史的展開をたどることによって,アメリカ・キリスト教の特質を探るとともに,宗教を通してアメリカをより深く理解することをめざしている。2001年9月の「同時多発テロ」直後から,星条旗とともに,「ゴッド・ブレス・アメリカ」(神よ,アメリカを祝福したまえ)の愛国歌が全米に溢れている。「同時多発テロ」のショックから立ち上がるために,アメリカは「神」のもとに結集している観がある。アメリカの愛国心と宗教心は密接に関連している。 アメリカ合衆国は政教分離と信教の自由を世界で最初に憲法に明記した国であり,宗教の多様性を認めることにより,モルモン教やエホバの証人などの多くの教派を生み出した。一方で,大統領の就任式や議会の開会式では祈りが捧げられており,公立学校での宗教教育を強化すべきであるという人は人口の7割を超えている。2004年の大統領選挙でのブッシュ大統領の再選を可能にした有力な要素は,「福音派」あるいは「宗教右派」と呼ばれる保守的なプロテスタントであったと言われている。このようにアメリカは政治や公教育という「公の領域」と宗教が密接に関連している国である。アメリカは近年,ますます多民族国家・多元的社会としての様相を深めており,「アメリカ人とは何なのか」を真剣に問うている。この問いはいわゆるアメリカ人のアイデンティティについての問いであり,それは宗教的な問いであると言えるだろう。 アメリカは移民の国であり,国民国家を形成するための「共通の過去」を持っていなかった。彼らを一つにまとめてきたものは「共通の未来」への意識,あるいは「アメリカン・ドリーム」であった。建国以来,キリスト教はこのようなアメリカの国家とアメリカ人のアイデンティティの核となってきた。「9.11」後のブッシュ大統領の演説では,「神」への言及が繰り返されており,宗教を抜きにして今日のアメリカを理解することはできない。 世界の唯一の超大国であり,日本にとって重要なパートナーでありつづけているアメリカをより深く理解するためには,宗教がますます重要になりつつある。このクラスでは,アメリカ・キリスト教史の前半を扱う。 秋学期科目の「キリスト教史6」と継続して登録履修することが望ましい。
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授業計画 タイトル 配付資料 ムービー
1回目 いまアメリカ・キリスト教を学ぶ意味 PLAY
2回目 ニュー・スペインのキリスト教(1) コロンブス ダウンロード PLAY
3回目 ニュー・スペインのキリスト教(2) その闇と光 ダウンロード PLAY
4回目 イギリスの宗教改革 ダウンロード PLAY
5回目 ピルグリム・ファーザース、ピューリタニズム(1) PLAY
6回目 ピューリタニズム(2)、マサチューセッツ湾岸植民地(1) PLAY
7回目 マサチューセッツ湾岸植民地(2) 日米社会の比較 ダウンロード PLAY
8回目 マサチューセッツ湾岸植民地(3) 神権政治の矛盾(1) PLAY
9回目 マサチューセッツ湾岸植民地(4) 神権政治の矛盾(2)
PLAY
10回目 大覚醒と独立革命 PLAY
11回目 独立革命の精神 ダウンロード PLAY
12回目 政教分離・信教の自由 ダウンロード PLAY
13回目 アメリカの「見えざる国教」 PLAY
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参考
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http://theology.doshisha.ac.jp/mori/top.htm

 

 

 

キリスト教史6-51「アメリカ・キリスト教史(2)」

 

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森 孝一
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概要
「キリスト教史5」に引き続き,アメリカ・キリスト教の歴史をたどることによって,アメリカ・キリスト教の特質を探るとともに,宗教を通してアメリカをよ り深く理解することをめざす。このクラスでは,アメリカ・キリスト教史の後半を扱う。 19世紀に入ると,アメリカはフロンティアへと拡大していく。宗教の分野だけに限らず,ヨーロッパ的な背景からアメリカを切り離し,アメリカ独自のものを 作り出したのはフロンティアでの経験であった。 南北戦争という未曾有の国家的危機を乗り越えたアメリカは,19世紀の後半に工業化と都市化を進め,今日のアメリカに見られるような多元的な社会へと変容 していった。19世紀の末にイギリスを抜いて,世界第一位の工業国となったアメリカは,海外に市場を求めて帝国主義的な拡大を行っていく。その後,アメリ カは「世界の警察」としての役割を担っていくが,そのようなアメリカの変化とキリスト教はどのような関係を持っていたのだろうか。 イラク戦争で明らかなように,アメリカは今日,「グローバル化」の名のもとに,アメリカ的価値を世界の基準に据えようとしている。このようなアメリカの世 界理解や歴史理解は,どのような宗教的側面を持っているのだろうか。アメリカの「グローバル化」に対して,イスラーム諸国やアジア諸国は反発を示し始めて いる。2001年9月11日の「同地多発テロ」の背景には,このような傲慢ともいうべきアメリカの「使命感」と「文明理解」が存在している。アメリカは今 日,国内的にも国際的にも,「多文化主義」と向き合わねばならない時代に入った。多様性を認めながら同時に統合をはかるという,建国当初からのアメリカの 課題は,国内的にも,国際的にも,アメリカのもっとも重要な課題である。 アメリカを手掛かりにして,21世紀における日本と世界の課題について考えたい。 春学期科目の「キリスト教史5」と継続して登録履修することが望ましい。
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授業計画 タイトル 配付資料 ムービー
1回目 フロンティアと第二次大覚醒 PLAY
2回目 二大教派の発展――バプテスト教会とメソディスト教会 PLAY
3回目 新しい教派の成立――再臨待望運動と復古主義 PLAY
4回目 モルモン教 (1) PLAY
5回目 モルモン教 (2) ダウンロード PLAY
6回目 南北戦争(1) ダウンロード PLAY
7回目 南北戦争(2) PLAY
8回目 南北戦争(3) PLAY
9回目 19世紀後半のアメリカとキリスト教―― 新移民とアメリカ宗教の多様化 ダウンロード PLAY
10回目 19世紀後半のアメリカとキリスト教――KKK、進化論、社会進化思 想、社会的福音 ダウンロード PLAY
11回目 文明の帝国主義(1) PLAY
12回目 文明の帝国主義(2),原理主義者とは? ダウンロード PLAY
13回目 第二次大戦後~今日まで ダウンロード PLAY
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参考
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http://theology.doshisha.ac.jp/mori/top.htm