牧会書簡

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牧会書簡(ぼっかいしょかん、英語:Pastoral epistles)は使徒パウロが記した、テモテへの手紙第一テモテへの手紙第二テトスへの手紙の3つの書簡の総称である。1726年に、ポール・アントンが初めて「牧会書簡」という名称を用いた。三書簡は内容、文体、歴史的背景において多くの共通点があり、1つの作品群として扱われてきた。紀元68年に殉教したと言われるパウロが、死を目前にしている状況の記述から、これらの執筆年代は、紀元64年 - 67年と推定される。

 

牧会書簡は、エペソの教会の牧者テモテと、クレタ島の牧会者のテトスにあてて送られたものである。二人ともパウロの弟子である。内容は、教会生活と信仰生活に関わる実際的諸問題、すなわち、公的礼拝の秩序、教会指導者の資質、やもめ、異端などの問題を中心に取り扱っている。三書簡は紀元60年代の初代教会の状況と発展段階を知る上で、貴重な資料である。

 

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