英語で日本の宗教を説明する – Japanese Religion
外国の方によく宗教を聞かれます。
あるいは日本人の多くはどの宗教に属しているのかと聞かれます。
多くの日本人が口をそろえて
「ほとんどの日本人は何の宗教にも属していません。」と言います。
もちろん本当に無宗教の方もいらっしゃいますが、外国人に全般的な日本人の宗教に関してこう説明するのはどうかと疑問です。
私が外国の方に日本の宗教について尋ねられた時は
日本には、日本の伝統的な宗教である神道と、仏教とが共存しており、多くの日本人がその両方に統計上は属しています。
しかしかなり多くの日本人がこれらの宗教に属していることを認識しておらず、自分は無宗教であると言います。
実際に私たちは多くの宗教的儀礼を尊重しますが、彼らは単なる文化と思っており、それで全く問題ないのも事実です。
There are two major religions in Japan. One of them are “Shinto”,which is traditional Japanese religion. The other is Buddhism. Almost all Japanese belong to both Shinto and Buddhism “statistically”. However, the majority of Japanese people does not recognize a sense of belonging to religions,and they also consider themselves to have ‘No religion’. Although we respect many religious ideas and rituals,they think these are mere culture. But the thing that it does not really matter in Japanese society is also true.
と説明するようにしています。
文部科学省による平成24年度の宗教統計調査※1によると各宗教の信者の数は
- 神道系 : 100,770,882 人 (約1億)
- 仏教系 : 84,708,309 人 (約8千万)
- キリスト系 : 1,920,892 人 (約2百万)
- 諸教 : 9,490,446 人 (約1千万)
合計で196,890,529人、約2億人となります。
これは日本の1億2千万の人口を大きく超える数字であり、統計上は多くの日本国民が神道と仏教の両方に属しているということを意味します。
無宗教であると言う多くの人が統計上は神道教徒であり、仏教徒なのです。
日本人が自身の宗教を自覚していないという事に加え、同時に2つの宗教に属しているという事が、世界的に非常に驚かれる点です。
なぜこんなコトになってるんでしょう。
以下は私の個人的推論を交えた叙述となりますのでご了承ください。
確かに日本人は我々が自覚している以上に宗教儀礼を行っています。
葬儀は仏式で執り行う場合がほとんどですし、年末年始には一見熱心な信者のごとく寺社へ初詣に行きます。
窮地の状況においては神頼みだってしますし、良しとされない事をした者に不幸があった時には「罰(ばち)が当たった」などと言います。ここで言う罰とは、ことに宗教的概念です。
日本人の宗教意識が希薄であるのもまた事実ですが、上述の通り初詣などの宗教的儀礼・思想が強く根付いていることから、無神論者というわけではないように思えます。
明治以前の神仏習合もさることながら、そもそも神道は八百万の神と言うほどに多くの神を許容する多神教です。
そういう意味ではやはり、お客様さえ神になりえる日本人は、神道の熱心な信者であると言えるかもしれません。
結局何が言いたいかと言うと、「日本人は無宗教です」という回答はあまりに興ざめだということです。私たちは…少なくとも私は大学に入るまで宗教の教育をまともに受けたことがないので、皆様も宗教についての説明に苦手意識を持っているのでは、と思います。ましてや外国の方に英語で説明となると。”宗教”というタームについての私たちの意識がかなり薄いのは確かだと思いますが、外国の皆様にはアイデンティティを左右するかなり大きな事柄です。ジャパニーズは全員無宗教です、と言えば、「愛を知らないということですか?」とまでは言われないにしても、「ご冗談を」なんて言われるかもしれません。
上述した神道仏教うんぬんはあくまで一例です。文科省の調査についても各宗教団体が信者の数を水増ししてるだけという話もありますし、これが正しい日本人の宗教に関する説明であると断言するのは安易かもしれません。しかし少なくとも聞いてる外国の方には「interesting」だと思います。神道と仏教は宗教じゃないとかいう話もあったりで、難しいのですが、せっかく我々の文化の一面を垣間見ようと尋ねてくださったのだから、何かおもしろく説明してあげましょう、という事です。上述のように神道路線でもいいし、「実は武士道という宗教を超越する思想があって」とか話しても面白いと思います。
外国の方に日本の事を尋ねられて、自分の母国に対する知識の希薄さを悟る人も多いはずですが、ここで個人的に新渡戸稲造の著書、武士道を真面目にお勧めしたいです。宗教についての記述もありますし、日本人とはなんぞやを学べます。何と言っても名著ですから、読んでおいて損はないでしょう。
I’m often asked about my religion or what religion Japanese belong to.
Most Japanese answer “Almost all Japanese have no religion.”
Of course there are a few people who have no religion. But I doubt the answer as an explanation of Japanese religion.
When I’m asked about Japanese religion,I answer as follows.
There are two major religions in Japan. One of them is “Shinto”,which is traditional Japanese religion. The other is Buddhism. Almost all Japanese belong to both Shinto and Buddhism “statistically”. However, the majority of Japanese people does not recognize a sense of belonging to religions,and they also consider themselves to have ‘No religion’. Although we respect many religious ideas and rituals,they think these are mere culture. But it does not really matter in Japanese society is also true.
According to religious statistical survey(2012) by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology※1,the number of adherents of each religions is as follows
- Shinto : 100,770,882 (approx.100 million)
- Buddhists : 84,708,309 (approx.80 million)
- Christian : 1,920,892 (approx.2 million)
- The others : 9,490,446 (approx.10 million)
The sum of all these totals is 196,890,529,approximately 200 million.
It means the number is more than 120 million of total Japanese population.
This is the reason why “statistically” almost all Japanese belong to both Shinto and Buddhism.
Not only the thing that Japanese does not recognise their religion, but also they belong to 2 religions simultaneously are quite surprised.
Why??
Note:The following description includes personal opinions.
We(Japanese) more often respect many religious ideas and rituals than we realise. For example,most of the funeral ceremonies in Japan are observed as Buddhist ritual. We visit a shrine or a temple on new year’s day.
We rely on the deities when we are in trouble. Moreover, if a person who had got away with doing bad meets with a misfortune,we say it is curses. It’s exactly religious idea.
Japanese people do not have a strong sense of religion as a whole is also true.
However,even if Japanese has no religion,they should not be called atheists because many kinds of religious ideas and rituals have taken root in Japan as mentioned above.
To begin with,Shinto is polytheism. Shinto preaches that there are Yaoyorozu deities.
Yaoyorozu(八百万) means 8 million literally, and is also a metaphor of “countless”.
Therefore Shinto could tolerate many “gods”.
In this sense,we might be able to say that Japanese are devout adherents of Shinto in such society that customers can be god.
(‘The customer is always right’ is well-known slogan in Japanese service industry.)
http://toshiya-jp.net/japanese-religion/