ローマ訪問の願い
- ローマ1:8-15
「わたしは、ギリシア人にも未開の人にも、知恵のある人にもない人にも、果たすべき責任があります。それで、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を告げ知らせたい のです。(ローマ1:14-15)
ここでパウロは,この手紙を書き送る目的を説明する.まず最初に感謝を述べ る.彼らの信仰が広く全教会に知られるようになっていることに対する感謝である.そ して、ローマ訪問を願っている理由を語っている。
1.まず最初に感謝を述べる.
-「まず初めに、イエス․キリストを通して、あなたがた一同についてわたしの神に感謝 します。あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです。」(ローマ1:8)
⑴ パウロは,「イエス․キリストによって私の神に感謝します」と言う.
*ルターは,キリスト教は所有代名詞の宗教だと言っている.誰でも漫然と「神」と呼ぶことは出來るが,「私の神」と呼ぶことの出來るのは,キリスト者だけである.
⑵ 感謝の理由は,「あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです」と言う。
* <参考: 感謝について>
① 感謝は,神の民の最大の特質の一つである.聖書全体は,生ける唯一の真の神とそのみわざに対する感謝に満ちあふれている.
② 旧約聖書においては,特に詩篇において,感謝が繰り返し獎励されているが,とりわけ詩篇136篇はその圧巻である.
③ 新約聖書に入ると,感謝の内容がイエス․キリストの救いのみわざに集中する.例えば,コロサ1:12-14においては,過去の贖い,現在の恵み,未來の望みの,過去,現 在,未來にわたるキリスト者の霊的祝福が,感謝の理由として挙げられている.
-「光の中にある聖なる者たちの相続分に、あなたがたがあずかれるようにしてくだ さった御父に感謝するように。御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、そ の愛する御子の支配下に移してくださいました。わたしたちは、この御子によっ て、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。(コロサ1:12-14)
④ キリスト者生涯の美は,神への感謝に満ちていることである.(參考:Ⅰテサロ5:16-18)
「いつも喜んでいなさい.絶えず祈りなさい.すべての事について,感謝しなさい」(Ⅰテサロ5:16-18)
2.いつも祈っていることを伝える.
-「わたしは、御子の福音を宣べ伝えながら心から神に仕えています。その神が証しして くださることですが、わたしは、祈るときにはいつもあなたがたのことを思い起こ し、何とかしていつかは神の御心によってあなたがたのところへ行ける機会があるよ うに、願っています。(ローマ1:9-10)
⑴ パウロは,ローマの教会の信徒たちのために,いつも祈っていることを伝える.
⑵ 面識のない相手に対する語りかけだけに,神を証人に立てる.
⑶ 出來るだけ早い機会に彼らを訪問したい願望を表明する.
3.ローマ訪問を願っている理由を語る.
-「あなたがたにぜひ会いたいのは、霊の賜物をいくらかでも分け与えて、力になりたい からです。あなたがたのところで、あなたがたとわたしが互いに持っている信仰に よって、励まし合いたいのです。兄弟たち、ぜひ知ってもらいたい。ほかの異邦人の ところと同じく、あなたがたのところでも何か実りを得たいと望んで、何回もそちら に行こうと企てながら、今日まで妨げられているのです。わたしは、ギリシア人にも 未開の人にも、知恵のある人にもない人にも、果たすべき責任があります。それで、 ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を告げ知らせたいのです。(ローマ1:11-15)
⑴「霊の賜物をいくらかでも分け与えて、力になりたいからです」と語る.
⑵「あなたがたとわたしが互いに持っている信仰によって、励まし合いたいのです」と語る.
キリスト者の交わりの祝福は,各自に与えられている賜物に共にあずかることによる.
⑶「何回もそちらに行こうと企てながら、今日まで妨げられているのです」と語る.
⑷「ギリシア人にも未開の人にも、知恵のある人にもない人にも、果たすべき責任があ
ります」と語る.