イエス・キリストの証人
- 使1:8 -
新約聖書でまことの神について最大のあかしをしたのはイエスであり(ヨハネ3:32ー3 4,ヘブラ1:2),神もイエスが神の子であることをあかしされた。(マタイ3:17,使2:22) われわれキリストを信じる者たちも,キリストと福音のあかしをする者となるの である。(ヨハネ15:27,使5:32)
1.証人の任命
⑴「わたしのところに來なさい」(マタイ11:28)というキリストの救いの招きを聞き,新しい人生に入れられたすべてのキリスト者は,
⑵ 次に,「わたしが…選び…任命したのです.それは,あなたがたが行って実を結び…」(ヨハネ15:16)ということばを聞き,従うことを決心する.
2.証人の動力
⑴ すべてのキリスト者が聖霊の注ぎによって力ある証人になれるのである.
- 「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき,あなたがたは力を受けます.そして…
わたしの証人となります」(使1:8).
3.証人の使命
⑴ 証人の使命は,使26:18に見ることができる.
①「彼らの目を開き」(唯一の神とキリスト・イエスを知って信じる。)
②「暗やみから光に」(光で現れたイエス・キリストを受け入れる。)
③「サタンの支配から神に立ち返らせ」(神の権能と人格に參与する。)
④「罪の赦しを得させ」(神から義と認められる。)
⑤「聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせる」(神の国の聖なる国民になる。)
⑵ このパウロに与えられた証人の使命は,今も変ることなく,私たちに与えられている.パウロはこの使命のために苦難を忍び,いのちをも捨てたのである.
4.証人の訓練
⑴ 良い証人となるために,霊的,聖書的,そして実際的訓練が必要である.
① 霊的訓練とは,パウロがローマ1:14ー16で語った,「私は…負債を負っています」
「ぜひ福音を伝えたいのです」「私は福音を恥とは思いません」という三つの ことばによって知ることができる.
② 聖書的訓練とは,聖書が明らかにしている救いの四つの原則(神,罪,キリストの救い,そして悔い改めと信仰について)を,相手の霊的必要に応じて強調点を調整しながら救いに導けるようにすることである.
③ 実際的訓練とは,表現力,社交力そして,適応力の三つの局面の訓練で,多くの体験の積み重ねで作り上げていくことである.
5.証人の技術
⑴ 証人が個人伝道を進める上で,ただ一つの絶対的方法というものはない.神はその働きを御自分の主権によって押し進められる.
⑵ それゆえに証人は伝道の方法や技術よりも,聖霊の具体的な導きに従えるように,いつも霊性が整えられていなければならない.
⑶ このためには,常に祈りが先行する.
6.証人の勝利
⑴ パウロには「神はいつでも,私たちを導いてキリストによる勝利の行列に加えて…くださいます」(Ⅱコリン2:14ー17)という勝利の前味を味わい,確信を持っていた.