旧約聖書における聖霊

- 創1:2, 詩33:6 -

 

　 「霊」と言う場合，神御自身が霊的存在者であるという意味の場合と，聖霊を意味する場合の区別がある．ｲｻﾞﾔ31:3，ﾖﾊﾈ4:24は前者であり，ﾏﾀｲ3:16は後者である．

 

1. 聖霊は創造に関与する．

⑴「神の霊は水の上を動いていた」(創1:2）

⑵ 天の万象は神の息吹によって形成された. (詩33:6)

 

2. 聖霊は人間の創造に関与する．

⑴「神の霊が私を造り，全能者の息が私にいのちを与える」(ﾖﾌﾞ33:4)

⑵ 神は土地のちりに「いのちの息」を吹き込み人を生きた者とされた．(創2:7)

 

3. 神の霊は神が選んだ指導者に与えられる．

⑴ 神がモーセを指導者として立てた時，神の霊が彼に与えられたが，彼を補佐する70人の長老にも同じ霊が与えられた.（民11:17，25）

⑵ ヨシュアにもモーセの按手によって「知恵の霊」が満たされた.（申34:9）

⑶ ギデオンは主の霊によって国家的危機にある民をミデヤン人から救った.（士6:34）

- 主の霊が臨むと彼らには特別な力が与えられた．神の霊は，神のわざを成し遂げるために技能と知恵を与える.（出31:3，35:31）夢の解き明かしにも知恵が必要であったが，ヨセフ，ダニエルにはそのような能力が与えられた..（創41:38­41，ﾀﾞﾆｴ4:8，9，18，5:11，14）

⑷ イスラエルの預言者は御霊によって主のことばを託された者である.（ｴｾﾞｷ11:5）

 

4. 聖霊は救済的な働きをする．

⑴ ダビデが罪に陥った時，その中からきよめられるのは「聖霊」によると告白している.（詩51:11）

⑵「霊」が与えられる時，罪深い人の心に新しい心が与えられる.（ｴｾﾞｷ36:26，27）

⑶ 御霊は神の民を救い，きよめ，正しい道へと導く方である．（詩143:10）

 

5. 聖霊はメシヤを通して特に著しい働きをする．

⑴ メシヤには「主の霊がとどまり」,知恵,悟り,主を恐れる霊として彼の中に働く.（ｲｻﾞﾔ11:2）

⑵ メシヤは御霊を注がれ伝道のわざをする.（ｲｻﾞﾔ42:1ｰ4，61:1，2，ﾙｶ4:18）

⑶ メシヤのわざにより，聖霊は神の民に注がれる.（ｲｻﾞﾔ32:15，44:3，ﾖｴﾙ2:28，29）

 

6. 聖霊は人格的存在である．

⑴ 聖霊は「痛ませ」られる方である.（ｲｻﾞﾔ63:10）

⑵ 聖霊の人格化の表現も見られる.（詩139:7，ｲｻﾞﾔ59:21）

 

 

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