聖霊の働きについて
- 使1:8 -
聖霊は,三位一体の神の第三位格の神である.旧約聖書においては,聖霊は多くの場合,「霊」「神の霊」「主の御霊」と表現されている.新約聖書においては,聖霊についての啓示と働きは旧約よりもさらに明らかになっている.それはキリストの降臨によりメシヤの時代が到來し,聖霊の時代が始まったからである.彼は「御霊」「聖霊」「主の御霊」「キリストの御霊」などの語で表されている.
1。旧約聖書の聖霊.
「霊」と言う場合,神御自身が霊的存在者であるという意味の場合と,聖霊を意味する場合 の区別がある.イザヤ31:3,ヨハネ4:24は前者であり,マタイ3:16は後者である.
⑴ 聖霊は万物の創造に関与する.(創1:2、詩33:6)
⑵ 聖霊は人間の創造に関与する.(ヨブ33:4、創2:7,詩104:29,ヨブ12:10)
⑶ 神の霊は神が選んだ指導者に与えられる.(民11:17,25、申34:9、士6:34,出31:3)
⑷ 聖霊は預言者に与えられる.(Ⅰサム10:10,19:23、エゼキ11:5、エレミ51:11)
⑸ 聖霊は救済的な働きをする.(創6:3、ミカ3:8、エゼキ36:26ー27、箴1:23ー29)
⑹ 聖霊はメシヤを通して特に著しい働きをする.(イザヤ11:2、42:1ー4,61:1ー2)
⑺ 聖霊は人格的存在者である.(イザヤ63:10、詩139:7、イザヤ59:21)
2。新約聖書における聖霊.
聖霊の時代はメシヤの來臨とともに始まる.それはヨエルによって預言されていた通りである.(使2:16)聖霊なる神はどの時代にも働いていたが,特に新約時代になって,イエスの誕生の当初からその働きは顕著に見られる.
⑴ イエスの誕生は人間的なものではなく聖霊による.(マタイ1:18、20,ルカ1:35)
⑵ 聖霊が弟子たちに与えられるのは,父の約束による(使1:4、2:33、Ⅱペト1:21)
⑶ 教会はペンテコステの日,聖霊の注ぎによって設立された(使2:1ー4、エペソ2:22)
⑷ 人が教会,神の国に属する時,必須なものは聖霊による新生である.(ヨハネ3:8、ローマ8:9)
⑸ 聖霊は人格的存在者である.(マタイ4:1,ルカ12:12,ヨハネ14:26,16:13)
⑹ 聖霊の象徴は次のようであると言われている。
① 聖霊は鳩のようである.(マタイ3:16,10:16)
② 聖霊は風(息)のようである.(ヨハネ3:8,使2:2)
③ 聖霊は火のようである.(使2:3)
④ 聖霊は証印のようである.(Ⅱテモ2:19)
⑤ 聖霊は油のようである.(イザヤ61:1,ルカ4:18、ヘブラ1:9)
⑥ 聖霊は水のようである.(ヨハネ7:38ー39,イザヤ44:3、出30:18,エペソ5:26,ヘブラ10:22)