キリストの御名と性質
ー マタイ1:21 ー
1. キリストの御名.
- 神の子,人の子,悲しみの人,栄光の主,メシヤ,仲保者,主,預言者,大祭司,王
⑴ イエス - 個人的名称である
① ヘブル語「ヨシュア」のギリシヤ語形である.救うというヘブル語に由來すると言われる ② キリストを救い主として示している.(マタイ1:21)
⑵ キリスト - 職務の名称である.
① 旧約聖書のヘブル語メシヤの訳語であって,油注がれた者を意味する.
② 旧約聖書では,ⓐ 預言者(Ⅰ列19:16),② 祭司(出29:7),③ 王(Ⅰサム10:1)
⑶ 人の子 - イエスは,御自分をこの名で呼んでおられる.
① 旧約聖書,詩篇8:4,ダニエル7:13のほか,エゼキエル書でしばしば用いられる。
② イエスは,御自分をこの名で40回以上呼んでおられる.
③ イエスの人間性を示す表現として伝統的に理解されてきた.
④ 今日では,キリストの神性と審判者であることを中心とする神的メシヤを示す.
⑷ 神の子 - キリストは,次の三つの意味で,神の子と呼ばれるにふさわしいお方である.
① 三位一体の神の第2人格であり,神御自身でありたもう.(マタイ11:27)
② メシヤの別名として,彼の職務の上で,父から区別して子と呼ばれる.(マタイ24:36)
③ 聖霊の働きによってこの世に生れ出た子という意味で神の子と呼ばれる.(ルカ1:35)
⑸ 主
① ギリシヤ語訳旧約聖書では,アドナイの訳語として,ヤハウェと同義語として用いられている.
② 新約において,至高の霊的権威を表す名として用いられている.(マルコ12:36、37)
③ 復活後は,教会の所有者,支配者を表す名として用いられている.(Ⅰコリン7:34)
④ すべての被造物の上に及ぶ主権的支配を表す名として用いられる.(ピリピ2:9ー11)
- 以上五つの呼称から明らかなことは,それらの名が,すべて,
⒜ イエス․キリストの神であり、⒝ 救い主であることを示していることがわかる.
2. キリストの性質.
⑴ キリストの神性に関する聖書の証言に聞かなければならない.
① 旧約聖書 - 詩2:6ー12、45:6、7、110:1、イザヤ9:6、エレミ23:6、ダニエ7:18、ミカ5:2、ゼカリ13:7、マラキ3:1
② ヨハネ福音書と書簡 - ヨハネ1:1ー3、14、18、2:24、25、3:16ー18、35、36、4:14、15、5:16、
20ー22、25ー27、11:41ー44、20:28、Ⅰヨハネ1:3、2:23、4:14、15、5:5、10ー13
③ パウロ書簡 - ローマ1:7、9:5、Ⅰコリン1:1ー3、2:8、Ⅱコリン5:10、ガラテ2:20、4:4、ピリピ2:6、コロサ2:9、Ⅰテモテ3:16
④ ヘブル人への手紙 ー 1:1ー3、5、8、9、4:14、5:8
⑤ 共観福音書 ー マタイ3:17、9:6、11:1ー6、27、14:33、16:16、17、28:18、25:31、マルコ8:38
⑵ キリストの人性についての聖書証言にも目を向けなければならない.
① イエスの人性が,私たちと同じ,弱さを持った人間性であったことを認識する必要がある.
ⓐ 成長の過程 (ルカ2:40、52)、ⓑ 空腹を覚えられた(マタイ4:2)、ⓒ 眠られた(同8:24)
ⓓ お疲れになった(ヨハネ4:6)、ⓔ 涙を流された(同11:35)、ⓕ 心を騒がせられた同12:27)
② イエスの人性は,なお,私たちと一つの点で異なっていた.
ⓐ 罪のない人性であり,罪を犯されることがなかったということである.(ヘブラ4:15)
ー ルカ1:35、ヨハネ8:46、14:30、Ⅱコリン5:21、ヘブラ4:15、9:14、Ⅰペテロ2:22、Ⅰヨハネ3:5