日本プロテスタント・キリスト教史とその課題
(韓国基督教長老会ソウル老会主催講演会)
2013年8月23日(金) 山本 裕司 牧師
1. 悲劇の会津藩
今、NHKで、大河ドラマ「八重の桜」が放映中です。私のレジデンスでは、NHKが映るので、その連続ドラマをソウルでも観ることが出来て嬉しく思っています。これは東日本大震災の被害を受けた東北地方を励ますために企画されたドラマです。舞台は会津(原発事故のあった福島県の西部)、時代は幕末(1860年代)です。その時、260年間続いた徳川幕府の支配体制を倒したのが、薩長土肥〈薩摩(九州・鹿児島など)、長州(山口)、土佐(四国・高知)、肥後(九州・熊本)〉の4藩でした。この者たちは天皇を担ぎ、明治維新という革命の勝利者となり、以後、明治政府の主要官職の身分、地位をほしいままにしました。*1 一方、あくまで徳川幕府に忠誠を誓った藩は、反天皇(朝敵)の汚名をきせられるのですが、その中心勢力こそ会津藩でした。そのため官軍(天皇の軍隊)より、会津藩は賊軍とされて、徹底的に痛めつけられました*2 会津城での籠城戦も空しく会津は官軍に降伏*3しましたが、その後も、官軍と明治新政府から残虐な扱いを受け、*4 何もかも収奪されました。*5それは、歴史的に見て、後に大日本帝国と日本軍(官軍)が韓国や中国で行った蛮行と極めて類似しています。官軍の乱暴狼藉、強姦などの屈辱を恐れて多くの武家の女子が自害しました。*6「八重の桜」の中で、会津藩士が錦の御旗を掲げる官軍に対して、このような台詞を語るシーンがあります。「お前たちが作る新しい国は、踏み出したその一歩から既に歪んでおる!」、その言葉通り、歪んだ道を近代日本は邁進し、徹底した天皇制、軍国主義のもとキリスト教を弾圧し、結局、1945年8月15日に自壊したのです。
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