エレミヤ - 預言者の生涯
- エレミヤ書33:1-3 -
[インマヌエル 下巻.9-22]
[エレミヤ書33:1-3] 「1 エレミヤがまだ監視の庭に閉じ込められていたとき、再びエレミヤに次のような主のことばがあった。2 「地を造られた主、それを形造って確立させた主、その名は主である方がこう仰せられる。3 わたしを呼べ。そうすれば、わたしは、あなたに答え、あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう。」
*** エレミヤはベニヤミン地アナトの出身で、二十歳の若さで預言者の召しを受けた(紀元前627年頃)。その後エレミヤは、ユダの最後の四人の王を経て、エルサレムの陥落まで四十余年にわたり預言活動を展開した。エレミヤはユダ史上最悪の暗黒期に預言の務めを担ったのである。
実際、エレミヤは自ら進んで預言者の召しに応じたわけではなかった。神は強権的にエレミヤを召し、彼にその時代の使命を与えられた。その結果、エレミヤは同胞に対して神の裁きを叫び、祖国ユダに対して滅亡を宣告せざるを得なかった。
このようなエレミヤのメッセージは、反逆や売国と誤解され、同胞から徹底的に排斥された。鞭打たれ、穴に投げ込まれ、牢獄に閉じ込められるなど、あらゆる迫害と苦痛を経験した。そのためエレミヤは神に、自分の使命を中断したいと訴えたこともあった。しかし神の霊に捕らえられたエレミヤは、再び固い意志で立ち上がり、託された預言者の使命を忠実に果たした。
1. 召命の背景
(1) 名前の意味と家族の背景
① エレミヤは「主が名付けられた者」という意味である。
② アナト地方で祭司ヒルキヤの子として生まれた。(エレミヤ書1:1)
(2) 歴史的背景
① ユダ王ヨシヤの治世13年からシデキヤ王11年(ユダの滅亡)までの42年間(紀元前628-586年)にわたり預言者として活動した。
② ユダはバビロンに征服され、王と民は捕囚として連れ去られた。(エレミヤ書39:1-9)
③ ユダに残った民はバビロンの支配を逃れエジプトへ行く者もいた。(エレミヤ書40:1-6)
2. エレミヤを通して成し遂げられた神の計画
(1) 旧約聖書はエレミヤについてどのように語っているか?
① 神は彼が生まれる前から彼を知り、選び出して諸国の預言者として立てられた。(エレミヤ書1:5)
② 神は彼が幼く、話すこともできないと告白した時、力を与えられた。(エレミヤ書1:6-19)
③ 彼は神の裁きによってユダが滅びることを大胆に預言した。(エレミヤ書18:18-23, 20:1-6)
④ ユダに対する滅亡の預言は、彼を深く嘆かせ祈らせた。(エレミヤ書9:1, 20:7-18)
⑤ 神は彼に妻を取らず、子孫を残すなと命じられた。(エレミヤ書16:1-4)
⑥ 彼はユダに神の裁きを預言しながら、希望の言葉を証しした。(エレミヤ書1:10、18:1-10、31:31-34、32:6-17)
(2) 新約聖書はエレミヤについてどのように語っているか?
① 福音書はエレミヤの預言の成就を記録した。(マタイ福音書2:17-18、27:9-10)
「17 そのとき、預言者エレミヤを通して言われた事が成就した。18 「ラマで声がする。泣き、そして嘆き叫ぶ声。ラケルがその子らのために泣いている。ラケルは慰められることを拒んだ。子らがもういないからだ。」」 (マタイ福音書2:17-18)
「9 そのとき、預言者エレミヤを通して言われた事が成就した。「彼らは銀貨三十枚を取った。イスラエルの人々に値積もりされた人の値段である。10 彼らは、主が私にお命じになったように、その金を払って、陶器師の畑を買った。」」(マタイ福音書27:9-10)
② イエスを見てエレミヤと言った者たちもいた。(マタイ福音書16:13-14)
③ エレミヤ書の新しい契約はヘブル書で説明されている。(エレミヤ書33:15-18、31:31-34 ⇒ ヘブル書8:7-13)
*** エレミヤは神の御心に従い、裁きと滅びのメッセージを宣言した。しかしエレミヤは同胞の運命と祖国の将来について、切なる思いで泣きまた泣いた。いわゆる「涙の預言者」という異名はこうして付けられたのである。
当時エレミヤは祖国ユダの生き残る道を示したが、霊的には神に悔い改めることであり、政治的にはバビロンに降伏して彼らと和睦を結ぶことだけだと訴えた。
