イザヤ - 預言者の生涯
- イザヤ書1:18-20-
[インマヌエル 下巻.9-20]
(イザヤ書1:18-20) 「18 さあ、来たれ。論じ合おう。」と主は仰せられる。「たとい、あなたがたの罪が緋のように赤くても、雪のように白くなる。たとい、紅のように赤くても、羊の毛のようになる。19 もし喜んで聞こうとするなら、あなたがたは、この国の良い物を食べることができる。20 しかし、もし拒み、そむくなら、あなたがたは剣にのまれる。」と、主の御口が語られた。」
*** 20歳の若さで預言者の召しを受けたイザヤは、その活動前期には主に「神の裁き」を主題とし、エルサレムを舞台に民の罪悪を警告し、彼らの悔い改めを促すメッセージを宣言した(イザヤ書1-39章)。当時悪化しつつあったユダの政治・社会・宗教の腐敗と罪状を鋭く告発し、神の言葉をもってユダの民と指導者たちを責め、勧告した。真に同胞の悔い改めを願う切なる思いから、時には3年間裸身で裸足で歩きながら、神の言葉を大胆に叫んだ真の預言者であり愛国者であった。
1. 召命の背景
(1) 名前の意味と家族の背景
① 「イザヤ」は「主の救い」という意味である。
② アモスの息子である。(イザヤ書1:1)
* ユダヤの伝統では、アモスはアマシャ王の兄弟であったと伝えられている。
③ 一人の妻(イザヤ書8:3)と二人の息子―シュアルヤシュブ(残された者は帰る)、マヘル・サラル・ハズバズ(戦利品で栄える)―がいた。(イザヤ書7:3、8:3)
(2) 歴史的背景
① BC759年から60年間、ユダ王4代(ウジヤ、ヨタン、アハズ、ヒゼキヤ)にわたり預言した。(イザヤ書1:1)
② その時代は富と繁栄とともに罪悪が満ち溢れた時代であった。
2. イザヤを通して成し遂げられた神の計画
(1) 旧約聖書はイザヤについてどのように語っているか?
① イザヤは神の啓示によって自ら見たことを語る預言者であった。(イザヤ書1:1、2:1、6:1)
② イザヤは神の召しを受け、任命されて預言者たちの長となった。(イザヤ書6:5-13)
③ 神はイザヤにその時代に起こることを預言させた。(イザヤ書7:1-12)
④ 神はイザヤに遠い将来に現れることを示し、預言させた。
㉠ キリストの初臨を見た。(イザヤ書7:14, 9:6-7, 61:1-2)
㉡ キリストが十字架で死ぬことを見た。(イザヤ書53章、50:6-9、52:13-15)
㉢ キリストの再臨を見た。(イザヤ書11:1、61:2)
㉣ キリストの栄光の国を見た。(イザヤ書59:20-21、65:17-25)
㉤ 新しい天と新しい地を見た。(イザヤ書66:22)
(2) 新約聖書はイザヤについてどのように語っているか?
① イエスが「イザヤ書」を引用してご自身について語られた。(マルコ福音書7:6、ルカ福音書4:17、ヨハネ福音書12:38-41)
② 福音書はイザヤの預言の成就を記録した。(マタイ福音書3:3、4:14、8:17、12:17、13:14、15:7)
③ ペテロは、やがて来る恵みを預言していた預言者たちについて語った。(第一ペテロ1:10-12)
④ パウロはイスラエルに関するイザヤの預言を引用した。(使徒行伝28:25、ローマ書9:27,29、10:16,20、15:12)
⑤ 新約聖書ではイザヤを22回言及している。
◈ イザヤの召命:
聖書を見ると劇的な召命の場面が紹介されている部分がある。ホレブ山の燃える荊棘の中でモーセを召される場面、ダマスコの道で輝く光の中でパウロを召される場面などがそうだ。
イザヤも劇的な神の召命を体験した。イザヤはエルサレム神殿で煙が満ちる中、天の御座に着かれた聖なる方を見上げ、天使によって祭壇で燃やされた炭火で唇の清めを受ける体験をした。その時イザヤは「誰が我々のために行くのか」という主の召命に応え、「ここにいます。私をお遣わしください」と喜んで応答した。このような深い召命の体験があったからこそ、その後イザヤはウジヤ王の末年からヨタン、アハズ、ヒゼキヤ王を経てマナセ王初期まで、ユダの五人の王の治世を通じ、実に60年もの間、忠実に預言者としての務めを果たすことができたのである。
*** イザヤ預言者は、旧約聖書イザヤ書の著者であり、紀元前8世紀ごろにユダ王国で活動した代表的な預言者である。彼はウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ王の時代に神の言葉を宣べ伝え、罪に対するさばきと悔い改めの勧告、そして回復と救いの希望を語った。
とりわけイザヤはメシア預言で知られ、苦難のしもべ(イザヤ書53章)を通して、来るべきキリストの働きと贖いを明確に示している。彼のメッセージは、神の聖さ、正義、そして変わることのない愛と救いのご計画を強調している。
