答えられる祈り
- ヤコブ書1:3-8 -
[インマヌエル 下巻.7-26]
[ヤコブ書1:3~8] 「3 信仰がためされると忍耐が生じるということを、あなたがたは知っているからです。4 その忍耐を完全に働かせなさい。そうすれば、あなたがたは、何一つ欠けたところのない、成長を遂げた、完全な者となります。5 あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。6 ただし、少しも疑わずに、信じて願いなさい。疑う人は、風に吹かれて揺れ動く、海の大波のようです。7 そういう人は、主から何かをいただけると思ってはなりません。8 そういうのは、二心のある人で、その歩む道のすべてに安定を欠いた人です。」
*** 「答えられる祈り」とは、神に捧げた祈りに神が応えてくださる祈りを指す。すなわち、単に言葉だけの祈りではなく、神の御心にかなって実際に答えを受ける祈りを意味する。
1. 信仰による祈り
[ヤコブ書5:15] 「信仰による祈りは、病む人を回復させます。主はその人を立たせてくださいます。また、もしその人が罪を犯していたなら、その罪は赦されます。」
[マルコ福音書11:23~24] 「」
まことに、あなたがたに告げる。だれでも、この山に向かって、『海に投げ込まれよ』と言って、その言うことが実現すると信じ、心の中で疑わないなら、そのとおりになるのです。」
(1) 祈って求めるものは何でも、すでに受けたと思っていれば、そのとおりになる。(マルコ福音書11:24)
(2) 神がおられ、神を求める者に報いてくださることを信じなければならない。(ヘブル書11:6)
(3) 神は信仰の祈りに応え、祝福される。(イザヤ書40:31、43:1)
(4) 実例
① 百人隊長の祈り(マタイ福音書8:5~13)
② 十二年の間長血をわずらっている女の祈り(マルコ福音書5:25~35)
2. 悔い改めの祈り
[マタイ福音書4:17] 「この時から、イエスは宣教を開始して、言われた。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」
(1) 悔い改めなければ天の国に入れない。(マタイ福音書4:17)
(2) イスラエルに悔い改めと罪の赦しを与えるために、イエスを救い主として、ご自分の右に上げられた。(使徒行伝5:31)
(3) 神は罪人が悔い改めることを心から喜ばれる。(ルカ福音書15:10~11)
(4) 神はだれも滅びることなく、すべての人々が悔い改めに至ることを望んでおられる。(第二ペトロ3:9)
(5) だれでも悔い改めて罪の赦しを受けるなら、聖霊をたまものとして受ける。(使徒行伝2:38)
(6) だれでもイエス・キリストを信じる者は、いのちを得る。(使徒行伝11:8)
(7) 実例
① 中風の人の悔い改めと彼の仲間たちの信仰による祈り(マタイ福音書9:2)
「人々が中風の人を床に寝かせたままで、みもとに運んで来た。イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に、「子よ。しっかりしなさい。あなたの罪は赦された。」と言われた」(マタイ福音書9:2)
② ひとりの罪深い女の祈り(ルカ福音書7:36~50)
3. 義人の祈り
[ヤコブ書5:16] 「あなたがたは、互いに罪を言い表わし、互いのために祈りなさい。いやされるためです。義人の祈りは働くと、大きな力があります。」
(1) 義人の祈りは「働く」と、大きな力がある。
+ 「働く」について
旧約ではモーセ(出エジプト記40:33)やソロモンの神殿建築の働き(列王記上5:16、9:23)、ヨアシュの神殿修理のための働き(歴代誌下24:13)、エズラとネヘミヤによる神殿再建の働き(ゼカリヤ書6:22、ネヘミヤ記4:11、15、19)などに用いられた。
新約では神の力やサタンの力を指すのにも用いられた(ピリピ書3:21)。特にコロサイ書2:12では、神の御業、すなわち何よりもキリストを死者の中からよみがえらせた御業、そして私たちを霊的に変えてくださる神の力による御業であることを述べている。
(2) エリヤの祈り
[ヤコブ書5:17~18] 「17 エリヤは、私たちと同じような人でしたが、雨が降らないように祈ると、三年六か月の間、地に雨が降りませんでした。18 そして、再び祈ると、天は雨を降らせ、地はその実を実らせました。」
① エリヤは、私たちと同じような人であった。
② エリヤは、切なる心で祈った。
③ エリヤは、祈りの答えとして神の偉大な力を体験した。
*** 私たちは試練に遭うとき、完全に信仰をもって喜ばなければならない。試練は忍耐を生み、忍耐は完全な人格を成し遂げる益があるからだ。
もし私たちに知恵が足りないなら、すべての人に惜しみなく与え、責められない神に求めよ。そうすれば与えられるだろう。