祈りと聖霊
- ローマ書8:26~27 -
[インマヌエル 下巻.7-23]
[ローマ書8:26~27 「26 御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。27 人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御霊は、神のみこころに従って、聖徒のためにとりなしをしてくださるからです。」
*** 聖霊は聖徒の内にお住みになりながら、彼のために自らとりなしてくださる。また聖霊は聖徒に祈るべきことを教える教師となり、導き手となり、祈りの動力となられる。それゆえ聖徒は聖霊のうちにあって神と霊的に交わり、その愛と恵みを受ける。
1. 聖霊は聖徒に祈りを教える教師となる。(ローマ書8:26)
(1) 祈るべき時を教えてくださる。
① 苦難に遭った時(ヤコブ書5:14~16)
② 神のあわれみを求める時(ネヘミヤ記1:11)
③ 神の知恵を求める時(ダニエル書9:3)
④ 神の導きを望む時(使徒行伝16:13)
(2) 祈る内容を教えてくださる。
① 罪の告白が必要である。(箴言28:13)
② 福音のための祈りでなければならない。(使徒行伝8:14~15)
③ 教会のための祈りでなければならない。(ローマ書1:8~10)
④ 癒しのために祈らなければならない。(マタイ福音書8:2)
⑤ キリストの再臨のために祈らなければならない。(黙示録22:20)
(3) 祈る方法を教えてくださる。
① 罪を捨てて清い心で(詩篇66:18~19)
② 信仰をもって(ヤコブ書1:5~8)
③ キリストの御名によって(ヨハネ福音書14:13~14)
④ 神の御心に従って(第一ヨハネ5:14)
⑤ 聖霊のうちに(エペソ書6:18)
⑥ 赦す心をもって(マタイ福音書6:14)
⑦ 心を一つにして(マタイ福音書18:19~20)
⑧ 落胆せずに(ルカ福音書18:1~8)
⑨ 切に願って(マタイ福音書7:7~12)
(4) 祈りに対する神の答えを教えてくださる。
① 心に感動で知らせてくださる。(使徒行伝20:23、ローマ書5:5)
② 聖書の御言葉を通して知らせてくださる。(第二ペトロ1:19~21)
③ 環境を通して知らせてくださる。(使徒行伝16:6~10)
④ 真理と理性を通して悟らせてくださる。(ガラテヤ書5:5、エペソ書4:3)
2. 聖霊は聖徒に祈りの導き手となる。(ローマ書8:26~27)
(1) 祈りの仲介者として導かれる。
① 聖徒たちの助け主となる。(ローマ書14:16)
② 神の御心に従って自ら祈ってくださる。(ローマ書8:27)
③ 肉の欲望を捨てさせる。(ガラテヤ書5:16)
(2) 真理を通して導かれる。
① 真理によって聖なる者にされる。(ヨハネ福音書17:17)
② 真理によって魂を清められる。(第一ペテロ1:22)
③ 真理によって自由を得させる。(ヨハネ福音書8:32)
3. 聖霊は聖徒に祈りの動力となる。(エペソ書6:18)
(1) 聖霊のうちにあって祈らせられる。
① 祈る心を注がれる。(ゼカリヤ書2:10)
② 弱さを助け、自ら執り成してくださる。(ローマ書8:26)
③ 絶えず聖霊によって祈らせられる。(エペソ書6:18)
◈ うめき(呻き)」という言葉は?
単なる肉体的な痛みの表現ではなく、魂の深い苦しみ・嘆き・神への祈りの表現として使われる。
嘆きながら息をつくことを指す(出エジプト記2:23)。人は憂いがある時(詩篇12:5、55:2)や苦しむ時に嘆くようになる(出エジプト記2:23)。悪人が勢いづく時には嘆きが生じ(箴言29:2)、忌むべき事を見る時にも嘆くようになる(エゼキエル書9:4、24:23、第二ペテロ2:7~8)。
聖書において神は、ご自身の民が苦役のために嘆く声を聞いて救い出され、イエスも耳の聞こえない者を癒やす時、天を仰いで嘆きながら「エバダ」と言われた(マルコ福音書7:34)。
一方、パウロはローマ人への手紙で、私たちがどのように祈るべきか知らないとき、聖霊が言葉にできない嘆きをもって私たちのために執り成してくださると述べている(ローマ書8:26)。