信仰の夢
- 創世記37:9、45:7~8 -
[インマヌエル 下巻.6-15]
[創世記37:9] 「ヨセフはまた、ほかの夢を見て、それを兄たちに話した。彼は、「また、私は夢を見ましたよ。見ると、太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいるのです。」と言った。」
*** 世界は、ある意味では夢を持つ者たちによって形作られていく。神から与えられた夢を持つ者は、どんなに困難なことがあっても、その夢と希望を抱き、忍耐し、信仰をもって生きる。そして神は、彼らにその夢を全て成就させる時が来ると、そうなされる。
< 例話:自動車王ヘンリー・フォードの生涯 >
ヘンリー・フォードは少年時代、母親の病状が危篤となり、急いで馬を走らせて医師を呼びに行った。医師が家に到着した時には、既に母親は他界した後だった。その時に悲しみに暮れた少年は、急な用事に使えるように馬よりも速いものを創造しなければならないという夢を抱くようになった。そしてその夢を成就させた。- アメリカ・デトロイトにあるヘンリー・フォード記念館に掲げられた彼の写真の下には「夢見る者」と記されている。
1. 神は御心にかなった者に夢(神の啓示)を与える。
(1) イエスの御言葉
「すべてのものが、わたしの父から、わたしに渡されています。それで、父のほかには、子を知る者がなく、子と、子が父を知らせようと心に定めた人のほかは、だれも父を知る者がありません。」(マタイ福音書11:27)
(2) 使徒ペテロの言葉
「22 それから、彼を退けて、ダビデを立てて王とされましたが、このダビデについてあかしして、こう言われました。『わたしはエッサイの子ダビデを見いだした。彼はわたしの心にかなった者で、わたしのこころを余すところなく実行する。』 23 神は、このダビデの子孫から、約束に従って、イスラエルに救い主イエスをお送りになりました。」(使徒行伝13:22~23)
(3) 使徒パウロの言葉
「また、その啓示があまりにもすばらしいからです。そのために私は、高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました。それは私が高ぶることのないように、私を打つための、サタンの使いです。」(第二コリント12:7)
「どうか、私たちの主イエス・キリストの神、すなわち栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。」(エペソ書1:17)
2. 神から与えられた夢を持つ者は、正しい信仰を持って生きる。
- どのようにすれば、私たちに与えられた信仰の夢を実現しながら、祝福された人生を送ることができるだろうか?
(1) その夢は、神の御心(啓示)にかなった夢でなければならない。
① すべてを神の栄光を現わすためにするものでなければならない。
「あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、ただ神の栄光を現わすためにしなさい。」 (第一コリント10:31)
② すべてのことに、すべての人を喜ばせるものでなければならない。
③ 多くの人の利益のためのものでなければならない。
④ 多くの人が救われるためのものでなければならない。
「私も、人々が救われるために、自分の利益を求めず、多くの人の利益を求め、どんなことでも、みなの人を喜ばせているのですから。」 (第一コリント10:33)
(2) その夢は、さまざまな過程を経て実現されることを経験する。<ヨセフの場合>
① 夢を持ち、その夢を信じるようになる。(創世記37:1~11)
② 困難な試練を耐え忍び、従順になる。(創世記37:12~36)
③ さまざまな誘惑を受けても、信仰によって打ち勝つ。(創世記39:1~19)
④ 信仰の忍耐によって、神の助けを待つ。(創世記39:20~40:23)
⑤ すべての民に、神が行われたことを証しする。(創世記41:1~45:28)
(3) その夢は、誠実さと正義と正直な心で行動する者によって成就される。
「ソロモンは言った。「あなたは、あなたのしもべ、私の父ダビデに大いなる恵みを施されました。それは、彼が誠実と正義と真心とをもって、あなたの御前を歩んだからです。あなたは、この大いなる恵みを彼のために取っておき、きょう、その王座に着く子を彼にお与えになりました。」(列王記上3:6)
*** 世俗的な夢は、バベルの塔を築くようなもので、必ず失敗に終わる。神の御心と計画から外れた夢は、成就することができないからである。したがって、信仰の夢を持つ者は、すべてのことに信仰をもって忍耐し、神の助けを待たなければならない。そして、彼が誠実と正義と真心とをもって、神の御前を歩くなら、神は大いなる恵みを彼にお与えになるのである。