律法と恵み
- ヨハネ福音書1:17 -
[インマヌエル 下巻.6-14]
[ヨハネ福音書1:17] 「律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。」
「17 わたしが来たのは律法や預言者を廃棄するためだと思ってはなりません。廃棄するためにではなく、成就するために来たのです。18 まことに、あなたがたに告げます。天地が滅びうせない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません。全部が成就されます。」 (マタイ福音書5:17~18)
「38 ですから、兄弟たち。あなたがたに罪の赦しが宣べられているのはこの方によるということを、よく知っておいてください。39 モーセの律法によっては解放されることのできなかったすべての点について、信じる者はみな、この方によって、解放されるのです。」(使徒行伝13:38~39)
1. 律法と恵みとはどのようなものか?
(1) 律法とはどのようなものか?
① 律法はモーセを通じてその民イスラエルに与えられたものである。(ヨハネ福音書1:17)
② 出エジプト記20:1~17にある十戒とその他のすべての戒めを指す。
③ 律法は完全であり、魂を清めるものである。(詩篇19:7~8)
(2) 恵みとはどのようなものか?
① 恵みはイエス・キリストを通して神を信じる者たちに与えられたものである。(ヨハネ福音書1:17)
② 恵みは救いを得るために与えられる神の愛であり、贈り物である。(エペソ書2:8~9)
2. 律法と恵みは、何を要求するのか?その結果はどのようなものか?
(1) 律法は何を要求するのか?その結果は? (列王記上2:3)
① 要求:モーセの律法に記されたとおりに守れ。
② 結果:そうすれば、あなたが何をするにも、どこに行くにも繁栄する。
(2) 恵みは何を要求するのか?その結果は? (第一コリント1:4)
① 要求:イエスの中にいなさい。 - 「キリスト・イエスの中に与えられた恵みによって」
② 結果:そうすれば、その受けた恵みによって、常に神に感謝し、栄光を帰すようになる。
3. 律法と恵みはどのような働きをするか?
(1) 律法はどのような働きをするか?
① 全世界を神の裁きの下に置く。(ローマ書3:19)
② 律法を行わない者は呪いのもとにある。(ガラテヤ書3:10、エペソ書2:10)
(2) 恵みはどのような働きをするか?
① 恵みは、イエス・キリストを信じるすべての人に救いを与える。(テトス書2:11~12)
② 恵みは無償で義と認められることを与える。(ローマ書3:24)
③ 恵みは救われた者を成長させる。(第二ペテロ3:18)
4. 律法と恵みはなぜ与えられたのか?
(1) 律法はなぜ与えられたのか?
① 律法は罪を悟らせるために与えられた。(ローマ書3:20、ガラテヤ書3:19)
② 律法は罪人をキリストへと導くために与えられた。(ガラテヤ書3:24)
(2) 恵みはなぜ与えられたのか?
① 神が世の罪人を愛し、私たちを救うために与えられた。(ヨハネ福音書3:16)
② 救われた者の力が弱いため、完全にするために与えられた。(第二コリント書12:9)
5. 律法と恵みはイエス・キリストとどのような関係にあるのか?
(1) 律法はイエス・キリストとどのような関係にあるのか?
① 律法はモーセを通して与えられたものである。(ヨハネ福音書1:17)
② イエスはモーセについて「彼が私について記録した」と述べた。(ヨハネ福音書5:46)
③ イエスは律法を廃止するために来たのではなく、完全にするために来た。(ヨハネ福音書5:17~18)
(2) 恵みはイエス・キリストとどのような関係にあるのか?
① 恵みはイエス・キリストによってもたらされたものである。(ヨハネ福音書1:17)
② イエス・キリストにおいて、その恵みによって信仰によって救いを得る。(エペソ書2:8)
③ 「主イエスの恵みがすべての者とともにあるように。アーメン。」(黙示録22:21)
*** 律法を守らなければ救われないわけではない。救いは神の恵みによって与えられるものだ。しかし、恵みを受けた人は感謝の心で律法を生活の中に実践するようになる。
律法は私たちをキリストへと導く道しるべであり、恵みはキリストの中で与えられる救いと言えるだろう。つまり、律法は罪を明らかにする鏡であり、恵みは罪を洗い清めるイエスの贈り物である。