試練による恵み
- 申命記8:1~10 -
[インマヌエル 下巻.6-26]
[申命記8:2] 「あなたの神、主が、この四十年の間、荒野であなたを歩ませられた全行程を覚えていなければならない。それは、あなたを苦しめて、あなたを試み、あなたがその命令を守るかどうか、あなたの心のうちにあるものを知るためであった。」
*** なぜ神はその民をさまざまな試練を通して恵みを与えられるのか?信仰の働き人たちは試練による恵みによって鍛えられ、強められた後、大きく用いられた。
1. なぜ神はその民を荒野で試練を通して恵みを与えたのか?
(1) 主の命令を守るかどうか、民の心のうちにあるものを知るためである。(申命記8:2)
「.... あなたを苦しめて、あなたを試み、...」(申命記8:2)
(2) 人が神の御言葉によって生きることをわからせるためである。(申命記8:3)
「それで主は、あなたを苦しめ、飢えさせて、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナを食べさせられた。それは、人はパンだけで生きるのではない、人は主の口から出るすべてのもので生きる、ということを、あなたにわからせるためであった。」(申命記8:3)
◎神はその民に御言葉についてどのように教えられたか?
① 神の御言葉に聞き従うなら、祝福を受ける。(申命記28:1~14)
「あなたがあなたの神、主の御声に聞き従うので、次のすべての祝福があなたに臨み、あなたは祝福される」 (申命記28:2)
② 神の御声に従わないなら、呪いが臨む。(申命記28:15~35)
「もし、あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従わず、私が、きょう、命じる主のすべての命令とおきてとを守り行なわないなら、次のすべてののろいがあなたに臨み、あなたはのろわれる。」 (申命記28:15)
(3) 真の祝福を受ける準備をさせるためである。(申命記8:12~14, 16)
「...13 あなたの牛や羊の群れがふえ、金銀が増し、あなたの所有物がみな増し加わり、14 なたの心が高ぶり、あなたの神、主を忘れる、そういうことがないように。」 (申命記8:12-14)
「あなたの先祖たちの知らなかったマナを、荒野であなたに食べさせられた。それは、あなたを苦しめ、あなたを試み、ついには、あなたをしあわせにするためであった。」(申命記8:16)
◎エレミヤは試練の中でどうしたか?(エレミヤ哀歌3:19~23)
① 試練の事実をありのままに神に正直に訴えた。
「19 私の悩みとさすらいの思い出は、苦よもぎと苦味だけ。20 私のたましいは、ただこれを思い出しては沈む。」(エレミヤ哀歌3:19~20)
② 過去を振り返り、神のあわれみと思いやりを覚え、信仰の希望を持った。
「21 私はこれを思い返す。それゆえ、私は待ち望む。22 私たちが滅びうせなかったのは、主の恵みによる。主のあわれみは尽きないからだ。」(エレミヤ哀歌3:21~22)
③ 朝ごとに新たに臨む神の助けを知り、心から感謝した。
「それは朝ごとに新しい。「あなたの真実は力強い。」 (エレミヤ哀歌3:23)
2. 試練を通して与えられた恵みとは何か?
(1) 主の御言葉の意味を理解するようになる。またその御言葉を守るようになる。
「苦しみに会う前には、私はあやまちを犯しました。しかし今は、あなたのことばを守ります。」(詩篇119:67)
「苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした。私はそれであなたのおきてを学びました。」(詩篇119:71)
(2) 自分が「神のご計画に従って召された人」であるという事実を自覚するようになる。
「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」(ローマ書8:28)
(3) 自分が「苦しみの中にいる人をも慰めることができる者」となったことを自覚する。
「3 私たちの主イエス・キリストの父なる神、慈愛の父、すべての慰めの神がほめたたえられますように。4 神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。」(第二コリント1:3~4)
(4) 「強くしてくださる方によって、どんなことでもできる」という信仰を持つようになる。
「12 私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。13 私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(ピリピ書4:12~13)
(5) 試練に打ち勝った者には「祝福を与え、初めよりもさらに豊かにされる」ことを知る。
「12 主はヨブの前の半生よりあとの半生をもっと祝福された。...」(ヨブ記42:12~17)
*** 私たちは過去に困難だった時を思い出すべきである。イスラエルの民はエジプトでの奴隷生活と40年間の荒野での困難な時を覚えていなければならなかった。神は彼らを大いなる力によって救い出し、守り、導いた。彼らはあの日々を忘れてはならない。私たちは神が過去にどのような状態から私たちを召し、悔い改めさせ、イエスを信じさせ、新しい命を歩ませ、また多くの恵みと祝福を与えてくださったかを覚えていなければならない。