信 仰 の 証 し
主の御名を誇って

http://www.makuya.or.jp/yp/yp-aks2.htm

 

 ぼくは今、イスラエルの北部ハイファ市にある、テクニオン工科大学で物理の勉強をしています。
 全世界から帰還した優秀なユダヤ人が、熱い愛国心を燃やしながら学んでいます。彼らの夢は、でっかいです。ベルギーから帰還した友達が、話してくれました。
 「ぼくは物理の学びをもっと深めて、いずれは国家防衛に関わるような研究者になりたい。そして、イスラエルが真の平和を手にできるような、大きな発見をしたい」
 実際に、多くの卒業生がいろんなハイテク産業の分野で活躍してイスラエルを支えています。
 また、いざという時には、国のために身を張って生きる学生たちの姿に触れることがありました。
 昨年の北部イスラエル戦争の時は、ぼくも防空壕の中で友人と一緒に試験勉強をしました。そして戦局が厳しくなってくると、多くの友人が軍隊に召集されていきます。「試験はどうするんだ、卒業はあきらめるのか?」と尋ねると、「先のことはわからない。でも若者が国を守らなければいけないんだ。ぼくたちの生きる国は、ここしかない」と答えます。
 そんな会話をしながら、イスラエルの若者には精神の基盤に国家があることを強く感じ、感動でした。こんな友人たちに会うと、新鮮な刺激をぼくの胸に与えてくれます。彼らに負けられません

大学生活の現実

 やがては石油に替る新エネルギーの開発に携わりたい、というのがぼくの夢です。でも正直、大学の現実は、想像以上に苦しいものでした。
 3人集まれば6つの政党ができるというほど自己主張の強いイスラエル人。授業では、どちらが先生かわからないような質疑応答が活発になされます。でもぼくにはチンプンカンプン、全く内容を理解できないときがありました。
 また、宿題を提出するにも人の3、4倍はかかるし、テスト前には徹夜の日々が続きます。
 ワクワクするような楽しい勉強もあるけれど、自分のレベルをはるかに超えた大学だということは、常に感じています。

試験中の祈り

 ある大事な試験の時のことでした。制限時間が半分過ぎても全く問題が解けなくて、がたがた手が震えてきました。ああ、もうこれでぼくの留学は終わりだなと、試験中なのにスーツケースをもって空港から帰国する姿が浮かんでくるんです。
 だけどその時に、必死で「神様、教えてください」って、腹の中で祈りつづけたんです。鉛筆をおいて、ひたすら「天のお父様、お父様」と、キリストの御名を唱えて祈りました。そしたらすごく力が内側から湧いてきて、腹が据わったんですね。
 それで、もう一度問題を読んでいったら、不思議なんですけど、こうやったらいいんだ、という問題への鍵が与えられました。結果は、クラスの中でも1,2番の高得点だったと後で聞きました。
 信じられなくて、外に駆け出し、キャンパスの木陰で「神様、感謝です」と号泣して祈りました。

大好きな詩篇

 ぼくが聖地に来てほんとうに好きになった聖書の箇所が一つあります。それはダビデ(3000年前のイスラエルの王様)が詠んだ、詩篇20篇なんです。その中の一節、

ある者は戦車を誇り、
ある者は馬を誇る。
しかしわれらは、
われらの神、主の御名を誇る。

 これは、戦を前にしてうたわれた詩だと言われています。
 ぼくは学生ですので、自分にとっていちばんの闘いは勉強です。でも、「いくら努力しても、これ以上もうダメだ。中退して日本に帰ろう」と思うようなことが、何度もありました。

授業風景
大学の授業風景

 そんな時に、ぼくは自分の部屋に閉じこもって、この詩篇を読みます。自分には何もない、でも神様がいつも不思議な道を備えてくださる……。そうして祈っていると、もう一度、内側から闘魂が湧いてくるんですね。
 「あきらめるな、この壁を突破しろ、キリストの御名を叫んで勝利するんだ!」と。
 普通は自分の「戦車」や「馬」― 才能や実力を誇るでしょうけど、ぼくはそうじゃない。苦しいときも、キリストの御名を呼んで祈り、自分の力を超えて突破することができたというのが、ほんとうに実感です。
 大変だけど、イスラエルで学べることは喜びです。闘魂をもって全力投球、とことん挑戦していこうと思っています。