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問: 道徳律法は、どこに要約的に含まれていますか。
答: 道徳律法は、十戒の中に要約的に含まれています。
道徳律法と人間の道徳
神は、善を行うよう人に命じておられます。これを道徳律法と言います。
神はこの道徳律法を人の心に刻まれました。そこで、どの民族にも道徳(善悪を判断し善を選ぶ思い)が与えられていますし、その道徳の多くは共通しています。例えば、「殺すな、盗むな、姦淫するな、父と母を敬え、偽るな」等の道徳は、どの民族にもほぼ共通です。
けれども、人は神に背き堕落しましたから、人の心に刻まれた道徳は、様々に歪められてもいます。例えば、ある国では神が禁じられる仇討ち(復讐)が美徳とされますし、ある国では姦淫が公然と行なわれています。神様が人の心に刻まれた道徳律法は、今も人々の内に名残を留めてはいますが、神様が与えて下さった完全さでは、残っていないのです。
道徳律法の要約である十戒
堕落した人間のために、神様は本来の道徳を聖書に記されました。聖書には人の主観で歪められていない道徳が教えられています。
特に出エジプト記20章の十戒は、道徳律法を要約したものとして、教会によって用いられてきました。十戒を通して私たちは、道徳の全体をバランスよく知る事ができるのです。
十戒とは
十戒は、神の民イスラエルの基本法です。
イスラエルはエジプトの奴隷状態から救われ、約束の地カナンに旅する途中、シナイ山で神と契約を結び、神の民となりました。この契約で神はイスラエルへの守りと愛を約束され、イスラエルは神への服従を約束しました。そのとき、服従のあり方を示す法が神から与えられました。律法(掟)です。この律法の中心、神の民の基本法が十戒なのです。
従って十戒は、正確には道徳の要約ではなく、神の民の基本法です。従って、大部分は重要な道徳を網羅するものですが、キリストの救いを待ち望む旧約時代を生きる民の特殊な事情も反映しています。特に第四戒(安息日律法)はこの事情を強く反映させています。