弟子の召命と使命
- マルコ福音書3:13~15 -
[インマヌエル 下巻.8-02]
[マルコ福音書3:13~15] 「3 さて、イエスは山に登り、ご自身のお望みになる者たちを呼び寄せられたので、彼らはみもとに来た。14 そこでイエスは十二弟子を任命された。それは、彼らを身近に置き、また彼らを遣わして福音を宣べさせ、15 悪霊を追い出す権威を持たせるためであった。」
*** 召命という言葉は「王やあるいは神からのある使命への呼びかけ」を意味する言葉であり、英語では「Calling」ともいう。呼ぶ者の権威が非常に大きいため、一般的に召命を受ける者はその呼びかけに逆らうことはできなかった。
召命とともに伴う用語である使命という言葉は、召命を受けた者が当然持つべき自然な義務や責任などを意味する。使命という言葉を英語では「Mission」という。
召命は呼び出しであり、使命は召命を受けた者の課題と言えるだろう。したがって召命なき使命はなく、使命感のない者は当然ながら召命を疑われるほかない。
1. 弟子たちの召命
(1) イエス・キリストが12人を弟子として任命された。(マルコ福音書3:13~14)
①御自身の望む者たちを召し出された。(マルコ福音書3:13、ヨハネ福音書17:6~8)
[ヨハネ福音書17:6~8] 「6 わたしは、あなたが世から取り出してわたしに下さった人々に、あなたの御名を明らかにしました。彼らはあなたのものであって、あなたは彼らをわたしに下さいました。彼らはあなたのみことばを守りました。7 いま彼らは、あなたがわたしに下さったものはみな、あなたから出ていることを知っています。8 それは、あなたがわたしに下さったみことばを、わたしが彼らに与えたからです。彼らはそれを受け入れ、わたしがあなたから出て来たことを確かに知り、また、あなたがわたしを遣わされたことを信じました。」
② 十二弟子を任命し、使徒と呼ばれるようにされた。(マルコ福音書3:14、マタイ福音書10:1~4)
(2) 十二弟子を任命された理由(マルコ福音書3:15、マタイ福音書10:5~15)
① 自分とともにいるため(詩篇16:8、マタイ福音書28:20)
[詩篇16:8] 「私はいつも、私の前に主を置いた。主が私の右におられるので、私はゆるぐことがない。」
② 遣わして宣教させるため
③ 悪霊を追い出す権能を与えるため
2. 弟子の使命
(1) ふさわしい者を探す。(マタイ福音書12:11)
[マタイ福音書12:11] 「イエスは彼らに言われた。「あなたがたのうち、だれかが一匹の羊を持っていて、もしその羊が安息日に穴に落ちたら、それを引き上げてやらないでしょうか。」
① 唯一のまことの神と神の遣わされたイエス・キリストを教える。(ヨハネ福音書17:3)
[ヨハネ福音書」17:3] 「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」
② イエスが神の子、救い主キリストであることを信じ、受け入れるように導く。(ヨハネ福音書1:12、マタイ福音書10:40)
[マタイ福音書10:40] 「あなたがたを受け入れる者は、わたしを受け入れるのです。また、わたしを受け入れる者は、わたしを遣わした方を受け入れるのです。」
③ ともに祈りながら、神の言葉(聖書)を学ぶ。(使徒行伝9:17~19, 3:1~3, 26:16~18)
[使徒行伝9:17] 「そこでアナニヤは出かけて行って、その家にはいり、サウロの上に手を置いてこう言った。「兄弟サウロ。あなたが来る途中でお現われになった主イエスが、私を遣わされました。あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるためです。」
(2) 平安を祈る。(マタイ福音書12:12)
○ キリスト者の生活を互いに分かち合う。
① キリスト者として誠実な使徒的模範を示す。(ヨハネ福音書13:15-17、テサロニケ書1:3、列王記上3:6、詩篇78:70~72)
② イエスが命じられたすべてを守るよう教える。(マタイ福音書28:20)
③ 神の恵みと祝福を互いに分かち合う。(使徒2:43-47、テサロニケ書1:6~8、エペソ書6:21)
(3) 忠実な人たちにゆだねる。(第二テモテ2:1~2)
[第二テモテ2:1~2] 「1 そこで、わが子よ。キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。2 多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たちにゆだねなさい。」
① キリストの兵士として訓練を受ける。(使徒行伝19:8-10、第二テモテ2:3~4)
② キリストの働き人として遣わされる。(マタイ福音書10:5、使徒行伝11:22、13:1~3)
[マタイ福音書10:5] 「イエスは、この十二人を遣わし、そのとき彼らにこう命じられた。「異邦人の道に行ってはいけません。サマリヤ人の町にはいってはいけません。」
③ 友と協力者の祝福を分かち合う。(コリント人への第二の手紙8:23~24)
[第二コリント8:23~24] 「23 テトスについて言えば、彼は私の仲間で、あなたがたの間での私の同労者です。兄弟たちについて言えば、彼らは諸教会の使者、キリストの栄光です。24 ですから、あなたがたの愛と、私たちがあなたがたを誇りとしている証拠とを、諸教会の前で、彼らに示してほしいのです。」
*** 主が十二使徒を任命された目的は何であったか? ○ 第一に、御自身とともにいるためであった。それは主とともにいることによって、主の言葉を一つも漏らさず学び、また主の人格と行いを学び、模範とすることができるからであろう。○ 第二に、彼らを宣教に遣わすためであった。使徒は宣教させるために立てられ、遣わされた者であった。○ 第三に、彼らに病を癒やし、悪霊を追い出す権威を与えるためであった。病を癒やす権威は特に使徒たちに与えられた権威であった。
