祈りの形態 (1/2)
- マタイ福音書18:19 -
[インマヌエル 下巻.7-33]
[マタイ福音書18:19] 「まことに、あなたがたにもう一度、告げます。もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。」
*** 私たちの祈りは、神の御言葉によって門が開かれ、枠組みが形成され、その内容が規制されるため、徹底的な御言葉の黙想を要求する。御言葉を黙想する祈りは、神の約束を知るゆえに確信と希望を持たせる。また、心に深い感動と大きな感激を植え付け、心から神を賛美させる。したがって、祈りは御言葉の黙想とともに為されるものである。そして賛美は御言葉に基づくべきであり、過度に感情的であったり衝動的であったりしてはならない。
1. 合心の祈り(マタイ福音書18:19、本文)
(1) 合心の祈りの実例
① モーセとアロンとフル(出エジプト記17:12)
② カルブとヨシュア(民数記14:6)
③ エリヤとエリシャ(列王記下2:6)
④ イエスの七十人の弟子たち(ルカ福音書10:1~2)
⑤ イエスと弟子たち(マタイ福音書26:36-46)
⑥ 屋上の間に集まった120人の聖徒たち(使徒行伝1:3~4, 12~15)
⑦ ペテロとヨハネ(使徒行伝3:4, 8:14~15)
⑧ マリアの家に集まった聖徒たち(使徒行伝12:12)
⑨ バルナバとサウロ(使徒行伝13:2)
⑩ パウロとシラ(使徒行伝15:40)
(2) 心を一つにして祈る姿勢
① 心を一つにして祈らなければならない。(エペソ書2:14)
② 愛する心を持たなければならない。(第一ヨハネ3:16)
③ 神の力を慕わなければならない。(エレミヤ書33:3)
④ 答えに対する確信を持たなければならない。(詩篇9:10)
(3) 心を一つにして祈る目的
① 主の御名を畏れるため(詩篇86:11)
② より切に叫び求めるため(使徒行伝4:24)
③ 祈りに励むため(使徒行伝1:14)
(4) 心を一つにした祈りの力
① 聖霊に満たされる(使徒行伝2:1~4)
② 神の力が現れる。(使徒行伝4:29~31)
③ 神の恵みを受ける。(ヨナ書3:10)
④ 平穏な生活を送る。(第一テモテ2:2)
2. 断食の祈り(マタイ福音書6:16~18)
[マタイ福音書6:16-18] 「16 断食するときには、偽善者たちのようにやつれた顔つきをしてはいけません。彼らは、断食していることが人に見えるようにと、その顔をやつすのです。まことに、あなたがたに告げます。彼らはすでに自分の報いを受け取っているのです。17 しかし、あなたが断食するときには、自分の頭に油を塗り、顔を洗いなさい。18 それは、断食していることが、人には見られないで、隠れた所におられるあなたの父に見られるためです。そうすれば、隠れた所で見ておられるあなたの父が報いてくださいます。」
(1) 断食の祈りの実例
① イエスの祈り(マタイ福音書4:2)
② 国家的な災難において(サムエル記上31:11~13)
③ 悲しみにおいて(サムエル記下12:16)
④ 危機に直面して(エゼキエル書4:16)
⑤ 国家的な悔い改めにおいて(サムエル記上7:5~6)
⑥ 聖職者任命において(使徒行伝13:3)
(2) 断食の祈りの方法
① 祈りによって(ルカ福音書2:37)
② 罪を告白することによって(ネヘミヤ記9:1~2)
③ 悲しみをもって(ヨエル書2:12)
④ 聖書を朗読し(エレミヤ書36:6)
⑤ 人を気にせず(マタイ福音書6:16-18)
⑥ 神を覚え(ゼカリヤ書7:5)
(3) 断食の祈りの結果
① 患難において神の助けを受ける。(詩篇50:15)
② 罪と過ちを悔い改める。(ホセア書10:12)
③ 神の指示を受けることができる。(使徒行伝13:2)
④ 権能を得ることができる。(使徒行伝9:8~9、17)
>>>>>>>>>>>> <<<<<<<<<<<<<<<<
祈りの形態 (2/2)
- マルコ福音書1:35 -
[インマヌエル 下巻.7-34]
[マルコ福音書1:35] 「さて、イエスは、朝早くまだ暗いうちに起きて、寂しい所へ出て行き、そこで祈っておられた。」
*** 私たちは祈りの時間を決めて祈るだけでなく、忍耐をもって祈らなければならない。
神の摂理の法則によって、私たち自身が喜んで支配を受けるようであれば、祈る時に容易に忍耐できるようになり、落胆せず、主を待つことができるようになるであろう。
3. 早朝の祈り(詩篇46:5)
⑴ 早朝の祈りの実例(マルコ福音書1:35、本文)
① イエスが模範を示された。
⑵ 早朝の祈りの意味(詩篇46:5)
① 早朝に捧げる祈りである。
② 最初の時間を捧げる祈りである。
⑶ 早朝の祈りの方法(詩篇143:8)
① 御言葉を黙想する。
② 神の御業を黙想する。
⑷ 早朝の祈りの力(詩篇116:2)
① 神が答えてくださる。
② 勝利する生活を送る。(出エジプト記14:24)
③ 先立つ生活を送る。
4. 徹夜の祈り(ルカ福音書6:12)
[ルカ福音書6:12] 「このころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた。」
⑴ 徹夜の祈りの実例
① ヤコブの徹夜の祈り(創世記32:24-29)
② サムエルの徹夜の祈り(サムエル記上15:11, 16:1)
③ イエスの徹夜の祈り(ルカ福音書6:12、マタイ福音書14:23)
④ 初期教会の徹夜の祈り(使徒行伝12:5、16:25-26)
⑵ 徹夜の祈りの霊的な意味
① 切実な祈りである。(イザヤ書63:9、エレミヤ書15:11、ルカ福音書18:7)
② 苦難に参与する祈りである。(ローマ書6:34、ヘブラ書8:24-25)
⑶ 徹夜の祈りの益
① 夜に心の教えを聞くことができる。(詩篇16:7)
② 夜に主が勧め、見守られる。(詩篇17:3)
③ 罪悪を避けることができる。(ヨハネ福音書13:30、ローマ書13:12-14)
④ 夜に啓示が豊かである。(創世記15:5、サムエル記上3:1、ルカ福音書2:1-)
5. 公的祈り(歴代誌下6:13-14)
⑴ 公的祈りを行うことができる者
① 会衆の指導的立場にある者(ゼカリヤ書10:1)
② 祈る能力と精神を持つ者
⑵ 公的祈りの要領
① 聖霊の感動に従って行うべきである。
② 教理に合致し、秩序正しく行うべきである。
③ 会衆を代表する祈りであるべきである。
④ 敬虔で正確な言葉で祈るべきである。
⑤ 端正な服装と敬虔な態度で行うべきである。
⑥ あまり長く行ってはならない。
⑶ 公的祈りの一般的な内容
① 栄光 - 三位一体の神に栄光を帰する。
② 感謝 - 神の恵みに感謝を捧げる。
③ 告白 - 過ちと罪の赦しを請う。
④ 懇願 - 主の御心が成し遂げられるよう祈る。
⑤ 仲介 - 神の国と義を求める。
⑥ イエスの御名によって - イエスの指示である。(ヨハネ福音書16:24)
◈ 公的祈りの必要性と礼拝堂の重要性
個人の祈りと同じく、教会の公的祈りも絶えず捧げられるべきであるが、共同の合意によって行われ、定められた時間に行うこともできる。しかし、心の奥底から湧き上がらず、内容もない言葉を繰り返す祈りは危険である。
公的祈りの真の目標は、神を賛美すること、あるいは神の助けを求めることである。教会の公的祈りが軽んじられないように、イエスはかつて神殿を「祈りの家」と呼んだ。これによって、祈りの義務が礼拝の重要な部分であり、聖徒たちが心を一つにして祈りに参加できるよう、神の神殿(礼拝堂)が一種の旗印として彼らの前に立てられていることが分かる。
