高知で竹の花が開花 ハチク120年に1度


黄色い雄しべが印象的な竹の花
 高知市内の民家で、竹の花が咲いているのが6月16日までに確認された。専門家によると、竹は約120年周期で全国的に一斉開花し、数年前から各地で情報が相次いでいるという。竹を観察してみると、あなたも“歴史的事件”に出合えるかも!?

 竹の花が見つかったのは高知市高須の民家。家主の男性が5日朝、庭に植えているハチクの変種、黒竹が普段と様子が違うことに気付き、よく見ると枝先に稲穂のようなものがたくさん付いていた。竹の象徴とも言えるササは少なかった。

 竹専門に研究や収集をする富士竹類植物園(静岡県)の元研究主任で竹の生態に詳しい柏木治次さん(65)に、この民家で撮影した竹の写真を見てもらったところ、竹の花だと断定。稲穂のようなものが花、細長く伸びた黄色い糸状のものが雄しべで、ほぼ満開の状態だという。

 柏木さんによると、竹はある周期で一斉開花する遺伝子を持っているという。種類によって周期はまちまちだが、ハチクについては過去の文献などから、約120年ごとに一斉開花することが分かっている。

 数年前からハチクの開花が各地で報告されているといい、柏木さんは「開花時期に入っているのでは」とみている。

 竹は花を咲かすと枯れるといい、「再生には最低でも十数年かかる」と柏木さん。ハチクは茶道具の茶せんなどに使われるため、全国的にはそれらの製造者に影響が出る可能性もあるという。

 高知ならではの食材とも言える四方竹については、中国で開花した例があるが、日本ではまだ観測されたデータがないという。